「不幸を自ら背負い込んでいく女の一代記」西鶴一代女 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
不幸を自ら背負い込んでいく女の一代記
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ストーリーは運に見放され堕ちていく女ということで、ありきたり?ただ最後、大名屋敷から自らの意思で逃げ出したわけで、実は自らこの流転を積極的にセレクトしてきた一生で、戦後の自立しようとする女のはたから見ての困難さを象徴しているようにも思えてくる。落ちるとこまで落ち、大逆転で大名の生母として幸福になる?否そうではない、という展開はなかなか面白かった。
勿論、有名な森の中を田中絹代が死のうと走る姿を長回しで追いかける等、動きと流れがある映像は、確かに今見てもカッコイイかぎり。ただ、10代の娘を演じるのは相当に無理感はあって、昔は可憐だったらしいが、田中絹代のこの映画での全体的な演技自体は好きにはなれなかった。とは言え、猫を使っての女主人への復讐劇や最後の方での娼婦としての化け猫演技は、上手い演出と思わされた。
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