劇場公開日 2017年1月28日

「除け者同士の青年と少女が当て所なく探す"命の意味"  "人は一人では生きていけない"を瀟洒に描く自主映画...」ゴンドラ(1987) O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0除け者同士の青年と少女が当て所なく探す"命の意味"  "人は一人では生きていけない"を瀟洒に描く自主映画...

2022年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 公開当時からその筋では有名な作品だったようですが、数年前の公開30周年でのリバイバル上映やソフト化の際には結構話題になってましたね。旧作にしても最新公開映画にしても上映に際しては著名監督、俳優さんやコメンテーターさんが絶賛コメントを寄せるのが常ですが、本作については斎藤工さんの「何百何千本観なくても この一本だけ観たい そんな作品」というコメントがなんとも印象的でした。
 己が生に孤独と違和感を抱える青年と少女の二人が死生観をきっかけに交流を持ち、現実を見つめ直す物語です。
 予告や解説等でも引き合いに出される作中のセリフとして、

あかり「死んじゃうと、生きてたことってどこいっちゃうのかな.....」
良「俺の田舎じゃさ・・・・・死んだ者は海に帰るって言われてんだ」

というものが有りますが、作中の総てがそこに収斂しているように思います。
 孤独を描いた作品は当然の如く画面も寒々としたものが多いかと思いますが、本作は"水"が頻出しますがそれすらもどこかしら暖かく、そのあたりの人を拒むわけではない孤高さが国内外での評価の高さに繋がっているのかもしれません。

O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)