池田屋騒動
劇場公開日:1953年4月29日
解説
戦前日活時代劇で活躍した池田富保が菁穂と改名、戦後初めて監督にあたる。脚本は「憲兵」の井手雅人。撮影、音楽をそれぞれ「右門捕物帖 からくり街道」の河崎喜久三、「母子鳩」の高橋半が担当している。「右門捕物帖 からくり街道」の嵐寛寿郎、阿部九洲男、高田稔、「七番街襲撃」の徳大寺伸、「怒れ三平」の進藤英太郎、「珍説忠臣蔵」の花井蘭子、「姫君と浪人」の左幸子などが出演。
1953年製作/93分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1953年4月29日
ストーリー
文久三年の京都。--新撰組の局長芹沢鴨、そして彼をとりまく隊中の一派は、祇園に島原に日夜遊興をこととし、貴重な隊費をまきちらすばかりか、詰れば軍用金と称して町家より金品を強奪するしまつに、市民の新撰組怨嗟の声はしだいに高くなる。次長近藤勇はこれを憂慮するが、隊内平穏をねがって気鋭沖田総司らの「斬れ」の声を抑えている。彼を中心とする一隊は、とある夜倒幕派の会合を料亭花菱に襲うが、芸者小梅の機転で志士たちは逃走した。敵の抬頭にともない新撰組は大々的に浪士を募るが、その中に近藤を兄の仇と狙う志士加川兼太郎もまじっていた。彼は闇にまぎれて近藤に斬りつけたりするものの、所詮敵せず、かたわら近藤の人格への敬慕もわいて、人知れず姿をけす。芹沢の乱行いよいよ加わり、豪商泉州屋の家をやき、一家の皆殺しを種に、泉州屋につながる小梅を脅してその肉体を奪う。さらに逃げこんだ志士を追って町医者宮城良済の家に入りこみ、無抵抗の良済を斬った。一家の嘆きを哀れんだ近藤たちは弔慰金をおくるが、その際若い沖田と良済の娘かよは互いに慕情を抱きあうようになる。--芹沢の暴逆を見かねた京都守護職はついに断を下し、命をうけた近藤は切腹をすすめて聴かれないまま、芹沢を古井戸に斬って落した。替って隊長の地位についた近藤の下、新撰組は面目を一新する。近藤は喀血しておかよの許に静養する沖田を屡々見舞ったが、その間にも洛中池田屋に会合する三十余名の倒幕派を襲うべく、着々準備はすすめられていたのである。