拳銃は俺のパスポートのレビュー・感想・評価
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シビレたね。
こんな感情移入しにくい 主人公を設定し、ただ「生きのびる」という主人公のモチベーションだけで映画を作るのはとても難しいと思うのだが。それができている珍しい作品だと思った。脇役で出てくる女性の境遇がそのテーマをうまく説明するのに機能していて 効果的だった。ヤクザの親分が寝ながら 子分に指示するところだけで すんげー 頭がいい ヤクザだと思わせるとこ なんか 脚本が冴えていたと思った。ドラマが 途中で 空中分解することもなく最後まで面白かった。 なんといううか・・ 低予算作品でなぜか 脚本的 にも低予算 ムード に満ちまくっていかにも軽い感じの映画だが、私はこれをきっと一生忘れないと思う。
藤原審爾しんじという作家の名前は恥ずかしながら初めて知った。 とても 幅広く 多くの作品を書いていて映画にされた作品も多く 評価も高い。 これから 原作を読んでみるか 映画を見てみるか・・ とても楽しみだ。調べてから見たら 映画化された作品の数が半端ではない 。キングよりも多いんじゃないか?
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「赤い殺意」と「果てしなき欲望」は面白かった。
ベレッタは殺し屋ジョーの旅券
新文芸坐の宍戸錠の追悼特集にて。
個人的には、日活の宍戸錠主演作品は、結構な良作ぞろいで、裕次郎の次に作品に恵まれていたと思う。
晩年に出たラジオやインタビューなどでも、宍戸錠本人が一番好きな主演映画に本作を挙げていた。
自分もDVDソフトも所有している映画だが劇場での鑑賞は今回が初めて。上映フィルムの状態は傷の目立つところにも有るが悪くない。
初めて観たのは、日活の名場面を集めた映画「アゲイン」で、あの超絶的ラストアクションを見せられたので、のちにテレビ放送で本編を観た時は、小林千登勢のウェットなドラマに違和感だったが、改めて見ると同じ袋小路のはぐれ者達の共感場面として悪くない。
ジュリー藤尾が、銃を撃たずギターで一曲歌うなどの昔の映画であるサービス感も嬉しい。
防弾メルセデスのデモンストレーションをする場面での強敵を連想させる巧みさや時限爆弾を作る際の緊迫感などの新しい試みも良い。
嵐寛寿郎や冷静な敵役の宮部昭夫やお坊ちゃん感のある若い杉良太などの役者陣も豪華。
一番の見せ場は、ラストの埋立地での、日活撮影所にある移動レールを全て使ったと言われる高速横移動撮影のガン・アクションと宍戸錠の素晴らしい体技のアクション、そして防弾車メルセデスとの息詰まる対決の迫力と余計な余韻がないキレのある終わりで傑作。
あぶない刑事より20年は古いのに本作の方がかっこいい!
スーツ姿の殺し屋ジョー
67年モノクロ。日活無国籍アクション。
流れるジャズが実にクール。だが日本製ハードボイルドは所々が叙情的。ジェリー藤尾がギターで哀しげな曲を歌ったりする。脚本は雑で上手くないが、宍戸錠の存在感は一見の価値あり。
バトルの前の道具の念入りな描写とラストの乾いた空気が実にナイス。無国籍映画はこうでなくちゃ。
ジャパニーズ・フィルムノワールの傑作!です
政財界の大物を暗殺した殺し屋が、暗殺を頼んだ側と大物側の両方から狙われ、最後に壮烈な対決シーンが...。重厚な演出で定評があった日活の野村孝監督渾身の一本。
最初の暗殺シーンからラストの対決シーンまで、淡々としていて緊張感のある演出は、本家フィルムノワールの達人メルビルをも超えたか、と思うくらいの迫力。そして何と言っても、あまりしゃべらない殺し屋役の宍戸錠のニヒルな演技が最高!。小林旭の「渡り鳥シリーズ」とは全然違う、大人の男らしさも感じる仕草もたまらない。
ラストの対決まで、殺し屋が仕掛けをつくったり準備をしたりするシーンは、ほとんどセリフがない。だから見る側も緊張しながらラストまで手に汗握って殺し屋の行く末を見届けようとする。「拳銃は俺のパスポート」は、フィルムノワールならではの静かな空間がいっぱいの、日本映画史上に残るアクション映画である。
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