劇場公開日 1974年4月24日

「公儀介錯人、冥府魔道〜本作ならではの世界観」子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 公儀介錯人、冥府魔道〜本作ならではの世界観

2025年10月25日
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鑑賞方法:VOD

単純

斬新

1974年公開、配給・東宝。勝プロダクション製作。

【監督】:黒田義之
【脚本】:中村努
【原作】:小池一雄、小島剛夕〜『子連れ狼』

主な配役
【拝一刀】:若山富三郎
【柳生烈堂】:大木実
【土蜘蛛兵衛】:木村功
【柳生香織】:瞳順子
【拝大五郎】:富川晶宏

◆「公儀介錯人」「冥府魔道」〜劇画原作の時代劇

私は原作の劇画を読んだことがない。
テレビ版は、おそらく全て観た。

「公儀介錯人」の座を巡る、拝一刀と裏柳生の死闘。
「冥府魔道」を歩む拝一刀と大五郎親子。

「3分間、待つのだぞ」「じっと我慢の子であった」
ボンカレーのCMにパロディも登場した。

武装乳母車のアイデアも面白い。

・仕込み槍
・連射可能な火縄銃?ガトリング銃?
・雪ゾリ化!

まさに万能な仕掛けだ。

◆若山富三郎と萬屋錦之介

勝新太郎の兄、若山富三郎バージョンは重厚だ。
撮影時45歳。
無敵の剣豪感が画面から漂う。

個人的には、錦之助の拝一刀が好きだ。
目元のメイク(アイシャドー)が印象的だった。
介錯人の陰影が現れていた。

◆展開が早くてよき

2本の小太刀をお手玉のように操る柳生香織。
土蜘蛛一族に育てられた長兄・兵衛。

土蜘蛛たちは、拝一刀親子に関わったすべての者を殺戮し、精神的に追い詰めていく。

・路傍で雑談した鳥追女(とりおいおんな)
・親子に飴を売った男
・旅籠の者すべて

なかなかハードで、それでいてスピーディーな展開だ。
テレビの影響かもしれないが不要な間がなく好きだ。

◆まとめ
裏柳生の策略で、妻の薊(あざみ)を失い、
公儀介錯人の座も失った。
裏柳生の総帥・柳生烈堂の子達をひとりずつ亡き者にし、ついにすべて討ち果たした。

続編を匂わせながらもシリーズ最終作となった本作。
若山一刀の集大成と言えよう。

なにげに、大木実の烈堂も捨てがたい。

薄暗い画面、
おどろおどろしい音楽、
妖しげな剣法(忍法?)、
機関銃に迫撃砲、
スキー侍、、、

「わが種を宿せ! 梓!」
兵衛の最期は笑うところか?

☆3.5

Haihai