子連れ狼 三途の川の乳母車のレビュー・感想・評価
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烈堂は?!
人気劇画の映画化第二弾。
前作同様、監督三隅研次、撮影牧浦地志の元大映コンビで製作されているが、大映時代劇特有の映像美は影を潜め、今回はアクションが全面に。
世代的に映画化シリーズは未見で、TVシリーズ(萬屋錦之介版)の方が印象深いといっても、随分と子供の頃の話。内容なんかほとんど憶えていないが、映画を見て記憶が蘇る場面も。
本作に登場する虎落笛のシーンはそのひとつ。幼い頃の脳裏に焼き付いているということは、TVの方でも名場面だったのだろう。
いつか虎落笛を会得したいと欲しながら、拝一刀にその技で斬られる左弁馬を演じているのは大木実。善悪演じ分けた名脇役。
その弟、来馬役の岸田森はただでさえ怪しい雰囲気なのに、前髪垂らして薄ら笑いするなど不気味さ倍増。
本作の事実上のヒロイン鞘香に扮したのは、後年「サスペンスの女王」などと呼ばれる松尾嘉代。鞘香と拝親子との対決は今回はなし。
前作ではゴシック・ホラーの怪人みたいだった宿敵、柳生烈堂も本作には登場せず。名優・伊藤雄之助によってどんな風に味付けされるか楽しみだったのに…。
TVの特撮シリーズで有名な小林昭二が前回のナレーション担当から、今回は黒鍬衆の頭目・小角役で顔出し出演。本格俳優としての地力を見せてくれる。
顔出しといえば、TVの赤影役で人気を博した坂口祐三郎(徹)や、改名前の平泉成も阿波藩家臣役で出演している。
アクション中心とはいえ、大半は女性陣の活躍場面。剣劇として観賞するには、やや物足りない印象。
次回以降に期待。
BS松竹東急にて初視聴。
何度でも言います。
6月末での放送終了、考え直して!
今は亡き日本の時代劇
DVDにて。聞きしに勝るイカれた映画だったwww。ザッツ、エンターテイメント!という感じの時代劇。人情劇とかいらねーし。斬って斬って斬りまくろうぜ!景気の良くいこう!
ってな感じの過剰演出っぷりはマイケル・ベイを彷彿とさせる。物語の流れや撮り方はシリアスだけど爆笑する。ざっくり表現するなら、ブラックユーモアに笑ってしまう感じ?そういうアメリカ映画ってあるじゃん?うん。それに近い。今観ても普通に面白い・・・というか最近の日本映画から消えてしまったパターンの映画なので新鮮だった。
確かにこれは・・・僕が観てきた映画の中では、タランティーノだ(当然、タランティーノが子連れ狼にオマージュを捧げているのがキル・ビルだが・・・)。そして、若干007っぽい。言うまでもなく、マカロニ・ウェスタンを彷彿とさせる、ドライで血みどろで無常な世界が描かれる。
マカロニ・ウェスタン=>子連れ狼=>タランティーノ、影響を与えあってる。
最近観た日本映画で、本作に最も近いのは「全員死刑」。こういう路線で時代劇作れば、結構世界受けすると思うけどな。
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