「平成ゴジラの最終作にして特撮の斜陽を感じさせる作品」ゴジラVSデストロイア 閑さんの映画レビュー(感想・評価)
平成ゴジラの最終作にして特撮の斜陽を感じさせる作品
デストロイアの造形はかっこいい。しかし群体バージョンは足がほとんど動かず置物を動かしてる感が強く、またサイズ感のせいか建物がすごく「模型」に見えてしまう。合体した最終形態は飛ぶと「吊ってる」のがよく分かるし地上戦でも足が動かずもっさりした動きで(おそらく着ぐるみが大きすぎて動けないのだろう)着ぐるみ感がすごい。特撮の性質上仕方ないのだろうが、だったらCGでよくない?と思ってしまう。同じ時代にジュラシック・パークやマトリックスなどCGバリバリの映画がもてはやされた中でこのシリーズが興行がふるわなかったのも宜なるかな。
ストーリーのほうも正直子供だましな印象を受けてしまう。酸素を破壊する物質というだけだったオキシジェントデストロイヤーからなんであんな超常生物になっちゃうのか?大きくなったり合体したり分裂したり自由自在、死んだかと思ったら即復活…、ラストも死んだのかよくわからん。子ども向けなんだから細かい辻褄なんてどうでもいいといえばそうなんだけど、大人が見るに耐えられるものを作ったシン・ゴジラやギャレゴジはヒットしたのを見ると、本家本元が自分で自分の首しめてシリーズを終わらせたというふうに感じてしまう。
最終作だからということだろうか、初代ゴジラとのつながり、反核の精神や行き過ぎた科学技術への警鐘も盛り込んだけれど、不完全燃焼というかとってつけた感じに終わった印象。これについてもシン・ゴジラのほうが初代ゴジラの正統な後継て感じだなあ。
あ、バーニングゴジラはなかなかかっこよかった。最後骨になってくところは流石にグッとくるものがあった。ジュニアは…お涙頂戴が欲しかったのかな…?、蛇足にしか思えなかった。
全体に平成ゴジラの最終作にして、シリーズが終わった理由をまざまざと示しているような作品だった。