「シリーズでも一、二を争う傑作」ゴジラVSビオランテ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズでも一、二を争う傑作
シリーズ17作目。
時代が昭和から平成へ。
平成最初の年にゴジラ出現。“平成VSシリーズ”のスタート。
出来映えの方は、これがシリーズでも一、二を争う傑作。
内容は実にシリアス&ハード。
科学の暴走で生まれた新怪獣ビオランテ。
ゴジラ細胞から誕生しただけあって、その存在や設定はゴジラそのもの。
ビオランテにはゴジラ細胞と薔薇の細胞と人間の心が宿り、悲劇的な一面も併せ持つ。
そんなビオランテを生み出した白神博士も芹沢博士を彷彿させる。
三原山の噴火と共に現れたゴジラを、自衛隊が迎え撃つ。
これまで以上に自衛隊の動きに重点が置かれ、さながら戦闘シミュレーション。
スーパーX2という名兵器も忘れがたい。(すぎやまこういちによるテーマ曲も爽快)
ゴジラ細胞を巡る人間たちの攻防も見逃せない。
全編に渡って新しいゴジラ映画を作ろうという心意気が伝わってくる。
監督・脚本に大森一樹、特技監督に川北紘一、共に“平成VSシリーズ”を支えていく事になる。
特撮技術はシリーズ屈指で、ビオランテの造形は斬新、ゴジラも筋肉質に力強く生まれ変わった。
キャストでは峰岸徹演じる権藤一佐と高嶋政伸演じる黒木特佐が強い印象を残す。
小高恵美演じる三枝未希が本作から登場、“平成VSシリーズ”の顔となる。
もう一人の常連、上田耕一も本作からの出演。
シリアス&ハードな内容、科学への警鐘と生命の神秘…ゴジラが遂に復活した。
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