「以後のゴジラ映画では珍しい噛みつきを多用、コマ落としによる素早い動きもあいまってリアリティある肉食動物同士の野性味溢れる闘いのようで新鮮。」ゴジラの逆襲 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
以後のゴジラ映画では珍しい噛みつきを多用、コマ落としによる素早い動きもあいまってリアリティある肉食動物同士の野性味溢れる闘いのようで新鮮。
ゴジラ70周年記念企画としてスタートしたゴジラ・シアターもいよいよ第8弾。
本日は『ゴジラの逆襲 4Kデジタルリマスター版』(1955)を鑑賞。
『ゴジラの逆襲』(1955)
前作『ゴジラ』(1954)の歴史的大ヒットを受けて急遽半年後に公開された第2弾。
特技監督の円谷英二氏は変わらず、本編監督は本多猪四郎氏から『透明人間』の小田基義氏、音楽も伊福部昭氏から佐藤勝氏へバトンタッチ。
本作の見どころは東宝特撮映画初のアンギラスとの怪獣対決。
本作で怪獣対決がなかったら70年以上の長きにわたり30作品の長期シリーズは成しえなかったでしょうね。まさにエポックメイキング作。
ティラノサウルスを模した二足歩行のゴジラと、アンキロサウルスを模した四足歩行のアンギラスの初の怪獣対決は闘犬をイメージしたとのことで、放射熱線は少なめ、以後のゴジラ映画では珍しい噛みつきを多用、コマ落としによる素早い動きもあいまってリアリティある肉食動物同士の野性味溢れる闘いのようで新鮮。
大阪城はじめ大阪市内での対決も前作同様、70年前とは思えないほど精巧で迫力がありましたね。
しかし、この怪獣対決もクライマックスではなく作品中盤、後半は舞台を北海道に変えて、前作同様、最後は人間対ゴジラの対決で幕を閉じます。
ラストの戦闘機による雪崩作戦は『トップガン マーヴェリック』(2022)を彷彿とさせました。
前作のような反核テーマ性は希薄でしたが話のテンポも良く、主人公月岡(演:小泉博氏)の同僚・小林(演:千秋実氏)のコメディリリーフもいい味を出していましたね。
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