「癒着の果てに」県警対組織暴力 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
癒着の果てに
DVDで鑑賞。
キャスト・スタッフへの絶大な信頼感がすごい。監督・深作欣二、脚本・笠原和夫、主演・菅原文太…まさに実録黄金トリオ。この3人が寄れば面白くないわけが無いのだ。
実際の事件たちをベースに、警察とやくざの爛れた癒着の実態を浮き彫りにしただけでなく、組織の中で生きる者が直面する不条理までも炙り出すと云う秀逸過ぎる名作だった。
組織に翻弄される菅原文太と松方弘樹の姿と彼らを取り巻く人間模様は、さながら社会の縮図である。警察もやくざも根本でやっていることはあまり変わらない。
権謀術数。抗えない階級社会。組織のセオリーにもがき苦しむ男たちのドラマが熱い。本作のタイトルには、えげつない皮肉がこめられているのではないかと思う。
やくざと癒着する刑事は悪いし、刑事を利用するやくざもまたしかり。それは分かっているのに、久能たちが追い詰められていく様は、観ていてめちゃくちゃ辛かった。
固い結束で結ばれたふたりに待っていた結末は、とても破滅的でエモーショナル。積み重ねられた絆の分、その悲しみは重みを増し、様々な感情が溢れ出して来た。
勝者となるのは状況を見抜いて上手く立ち働いた者、そしてそのおこぼれにちゃっかり預かった者と相場が決まっているだなんて。嗚呼、やるせない世の中だよ全く。
[以降の鑑賞記録]
2021/02/23:DVD
2024/10/09:Amazon Prime Video(東映オンデマンド)
※修正(2024/10/09)
(コメント続き)
時代が違うと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、あの頃のような熱い映画を望んでしまうのは、もはや映画ファンの性なのかもしれません…。
地蔵菩薩さんへ。
お疲れ様です。
コメントありがとうございます。
拓ボンは欠かせない…(笑) ピラニア軍団の中でも一際「やったるで!」感が強かった役者さんのように感じました。
ボートに引き摺られたり、射的の的になったかと思えば、出る予定の無かった作品にノンクレジットでしかも二役で出たり…。なんとかしてのしあがったろうという気合いと気迫がすごい…。
仰る通り、今の若手の役者には無い要素ですねぇ…。全然ギラギラしとらんです(笑)
syu32氏🙇お疲れ様です💫
「孤狼の血」はイイ線いってましたが、やはり本家のド迫力な毒の塊には、敵いません…何がたらないか?はっきりしてるのは、川谷拓三だと…本作を観直して気が付きました。どんな気合いで映画を作ってたか?…多分、命がけですね…今の邦画界には、不用なマインドなんでしょうかねぇ😥