喧嘩笠(1958)
劇場公開日:1958年12月27日
解説
大川橋蔵が大前田栄五郎の息子・栄次郎に扮し、清水の次郎長の力を借りて許婚の父の仇を討つという娯楽時代劇。村上元三の原作を「柳生旅ごよみ 女難一刀流」の結束信二が脚色し、「捨てうり勘兵衛」のマキノ雅弘が監督する。撮影は「佐平次捕物控・紫頭巾」の三木滋人。音楽は「捨てうり勘兵衛」の鈴木静一。主演は「若さま侍捕物帖 紅鶴屋敷」の橋蔵に、「浅間の暴れん坊」の大川恵子、「捨てうり勘兵衛」の大友柳太朗など。
1958年製作/84分/日本
原題または英題:The Travelling Rough
配給:東映
劇場公開日:1958年12月27日
ストーリー
栄次郎は前橋の大前田栄五郎の息子だ。小天狗の若親分と異名をとるケンカ好きだ。前橋の掛小屋で、乱暴をする侍を取押えた。それは新任の代官所の役人だった。栄五郎は息子にワラジをはかせ、身代りに自分が牢に入った。栄次郎の行く先は父と兄弟分の海老屋の甚八のところだ。その娘お喜代とめあわせるつもりが両方の親にある。甚八は娘に婿のきまるまでそのナワバリを清水の次郎長にあずけることにした。栄五郎から息子のことを頼まれて、次郎長は子分を連れて旅立った。甚八のナワバリは黒駒の勝蔵をバックにした武居のども安が狙っていた。栄次郎は途中スリの半次から懐中を抜かれたりして甚八の家についた。お喜代と彼はケンカ相手になる。彼らや子分が祭見物に行っているスキに、ども安が殴りこみをかけ、甚八を殺して逃げた。栄次郎は彼らを追って行き、お喜代もそれをとめようと後を追う。遅れて着いた次郎長らもども安を求めて発つ。栄次郎はお喜代がとめるのをきかず、半次の知らせたども安の泊った宿へ一人ふみこむが、人違いだった。次郎長の一行だったのである。次郎長も無謀はよせと云う。が、栄次郎は甲府へ着くと、次郎長たちが祭礼の終るのを待っている間に、ども安の転りこんだ黒駒のところへ一人で殴りこむのだ。大乱闘。彼が疲れきったとき、次郎長らがかけつけた。栄次郎はお喜代と共にども安を斬り、甚八の仇を討つ。後は次郎長へまかせ、二人は前橋へ向う。今は天下晴れての夫婦だ。前橋では代官が代り、栄五郎も家へ帰ったという。半次が半ばアテられながら二人を追った。