「【”パパは日曜日は家族と、月曜日はアタシと遊ぶの。”コケティッシュな美貌際立つ、若き加賀まりこさんの魅力全開作。ジャパニーズ・ヌーベルバーグ・ムービーでもある。】」月曜日のユカ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”パパは日曜日は家族と、月曜日はアタシと遊ぶの。”コケティッシュな美貌際立つ、若き加賀まりこさんの魅力全開作。ジャパニーズ・ヌーベルバーグ・ムービーでもある。】
ー 噂には聞いていた作品だが、1964年にこのような先鋭的な邦画が製作されていたとはビックリである。-
■横浜の上流クラブ”サンフランシスコ”で人気を集める18歳のユカ(加賀まりこ)は、平気で男と寝るがキスは絶対にさせず、教会にも通う、コケティッシュな女の子。
ユカには修(中尾彬)というボーイフレンドと、船荷会社の社長である初老の“パパ”(加藤武)がいる。
パパが日曜日に娘に人形を買ってあげる姿を見たユカ。そして、ユカは月曜日に着飾って出かけるが、パパから或るお願いをされる。
◆感想
・序盤の、パパがお得意先の外国人船長フランクを”サンフランシスコ”でもてなすときの、奇術師の男が披露するマジックのシーンから、この映画は邦画ではなく、ヨーロッパのヌーベルバーグムービーの装いを帯びている。
・加賀まりこさん演じるユカは、童女のようでありながら、男達の前で妖しく全裸になる淫らさも見せるが、全く嫌らしくなく、加賀まりこさんの美しい背中のラインが印象に残る。
・ユカの母を演じた北林谷栄さんが、相当若かった筈なのに、既にお婆さんの様な雰囲気を漂わせているのも凄い。
<パパの願いで、外国人船長フランクと寝る事になったユカが、幼き時にキスシーンを見て、牧師さんから”アレだけはイケナイ‼”と言われた事が脳裏に激しく残っていたために、フランクのキスを激しく拒絶し、外で待っていたパパと船のデッキの上で一緒に踊り、弾みで海に落ち海中に沈んで行く”パパ”を膝小僧を抱えながら、助ける訳でもなく見ているユカのあどけない表情。
そして、彼女は一人軽やかに、町の中を歩いて行くラストシーンも、正にヨーロッパのヌーベルバーグムービーの様である。
何だか、凄い先鋭的な邦画である。>