「広島原爆悲劇の一面を描いた名画」黒い雨 chakurobeeさんの映画レビュー(感想・評価)
広島原爆悲劇の一面を描いた名画
井伏鱒二の原作は挫折して途中までしか読んでませんでしたが、今村昌平監督の白黒映画作品は、田中好子を始め往年の芸達者陣を揃えた名作と思いました。
戦争の狂気とか核兵器の非人道性を考える上で、若い人を含め誰もが一度は観ておくべき映画だと評価したいです。一瞬にして、日常生活の中にあった赤子から老人に至るまで10万人近い人々が理由も知らずに命を奪われたことについて、考え続けてゆく義務を感じます。本映画は原爆投下直後の広島の地獄のような惨状も伝えようとしていますが、主題は放射能後遺症の恐怖とそれに絡んだ悲劇だと言えます。本編の主役のヒロインを演じた田中好子さんの実生活での短命が本映画と重なって、何とも言い難い気分に陥りました。
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