クレオパトラ(1970)
劇場公開日:1970年9月15日
解説
「千夜一夜物語」に続く虫プロと日本ヘラルドのアニメラマ映画。脚本は里吉しげみ、監督は「千夜一夜物語」の山本暎一と手塚治虫が共同であたり、撮影は三沢勝治と山浦栄二が、それぞれ担当。
1970年製作/112分/日本
配給:日本ヘラルド
劇場公開日:1970年9月15日
ストーリー
二十一世紀のある年。地球は宇宙征服に乗り出し、手始めとしてパサトリネ星を狙っていたが、パサトリネ星の住人は地球人に対し“クレオパトラ計画”なる陰謀をたくらんでいることが判明する。ダラバッハ所長はその計画の真相を知るために、女性一人を含む三人の地球人を、精神だけ過去の時代に乗り移れる機械に乗り込こませクレオパトラの時代にと向って旅立たせる。エジプトは、シーザーの指揮するローマ軍の侵略を受けていた。クレオパトラの弟プトレマイオス国王は、簡単に降伏してしまい、クレオパトラの側近の女官アポロドリアは自らゲリラを組織し、シーザーに対抗しようとしていた。彼女はシーザーを女で陥落させようと計画し、不美人なクレオパトラを整形手術してシーザーの前にさしだす。この計画はみごと成功し、すばらしいテクニックと美貌の虜になったシーザーはプトレマイオス王国を追放してクレオパトラを女王にすえた。シーザーはクレオパトラをともないローマへ凱旋し、盛大な祝賀会が開かれた。ローマに帰ってからのシーザーは権力をほしいままにし、これをねたんだカシウスやブルータスに暗殺されてしまう。エジプトに逃げ帰ったクレオパトラのもとには、すぐアントニウスが襲ってくるが、田舎者のアントニウスはクレオパトラの魅力にたちまちいかれてしまう。一方ローマではオクタビアンが反乱をおこし、アントニウス軍をうつべくエジプトにと向い、両軍はアレキサンドリア沖で対峙した。クレオパトラもこの海戦にエジプト軍をつれて参戦したがアポロドリアの進言によって、戦場を離脱した。この戦いで勝利を治めたオクタビアンがエジプトに向っていることを知ったアポロドリアは、クレオパトラに三たび、彼を口説かせようとするが、女王としてではなく一人の女としての幸福を夢みるクレオパトラは激しく拒絶する。クレオパトラはオクタビアンに追われピラミッドに逃げこむが、たちまちオクタビアンの手に捕えられてしまう。クレオパトラはこの窮地を色香によって脱しようとするがホモのオクタビアンには通じなかった。クレオパトラは自らを恥じ、そしていきなり毒蛇に自分のノドをかみ切らせ自殺してしまう。この歴史を見さだめた三人の地球人は無事地球にもどり、この事実をダラバッハ所長に報告する。