病院坂の首縊りの家のレビュー・感想・評価
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最後の事件…最終作にして異色作!
金田一耕助シリーズ(石坂浩二主演版)第5作。
DVDで鑑賞。
原作は未読です。
最終作であると同時にいちばんの異色作でした。
冒頭から様子が異なっていました。黒バックに明朝体のクレジットが印象的なオープニング・シークエンスが無かったからです。ジャズ・バンドの演奏シーンに被せてキャスト・スタッフがクレジットされ、石坂浩二はトメ。字体も明朝体ではなくゴシック体。いつもと違うぞと、期待半分・不安半分…
ディスカバリー・ジャパンを標榜し、日本人の根底に息づいているものを浮き彫りにするような印象でしたが、本作では先述通りジャズ・バンドが登場し、舞台も東京の住宅街。何より金田一耕助が渡米する前と云う設定なので、戦後急速に普及し始めた欧米要素が強調されているなと思いました。
異色作ではあるものの、事件の奥底にあったのは、複雑怪奇な人間模様と愛欲にまみれた悲しみのドラマでした。一族の秘密が炙り出されていく展開はさながら「犬神家の一族」のようで、シリーズが一周回って最初に戻って来たみたいでした。
市川崑監督としては、本作を最終作としながらも本当はまだシリーズを続けたくて、敢えて新展開を彷彿とさせる演出をしたのではと思いました。いつでも再スタート出来るように…
思惑に当時の最新刊であった原作がピタリと当てはまり、話題性も充分だしちょうどいいんじゃないか?―と云うことになったのかなと、そんなことを考えてしまいました。
※鑑賞記録
2022/08/06:Amazon Prime Video
※修正(2022/08/06)
よかった
名家でおじいさんがやたらと愛人に子供を産ませて、従兄妹同士で結婚したりして、生首で殺されて女将的なおばさんが真犯人って『犬神家』と一緒じゃないか。ハメ撮り写真がポイントになっていたのが面白かった。
いつの日かまた、金田一の映画を!
監督・市川崑×主演・石坂浩二による金田一耕助シリーズ第5弾にして最終作。
原作でも金田一最後の事件。
廃屋に生首が吊るされた事件を機に、ある一族の忌まわしい過去が明かされていく…。
市川&石坂コンビのこの一連の作品は紛れもなく邦画史上に残る名シリーズ。
なので、一作一作どれもが傑作…とは言い難いのが本作。
はっきり言ってちと失敗作であった。
原作はシリーズ最長。
事件は一旦迷宮入りし、昭和28年と48年の二つの時代を股にかけ、金田一も事件解決までに20年もかかった言わば“超大作”。
それを、映画は昭和26年に限定して描いた為、まずスケールダウン。
故に、物語の展開も事件の経緯も登場人物も大幅にカット。
三世代に渡った法眼家の一族が二世代となり、その孫世代や金田一が愛着沸いた“アングリー・パイレーツ”ら若者たちの描写もほとんど描かれず。
この映画だけでも登場人物関係図はちとややこしいが、本来はもっと多くてもっと複雑。個々のドラマも複数派生。
原作をそのまま映像化したら、とてもとても2時間強に収まらない所か5~6時間以上にもなり、あまりにも話が長過ぎて飽和状態にも感じてしまうが、それが大河ドラマ的原作の醍醐味だっただけに残念でならない。
それから、最大の落胆はスタッフ・キャストのタイトルクレジット。
印象的な黒画面に曲がりくねった白の明朝体ではなく、至って普通…。
映画オリジナルキャラ、コメディリリーフで金田一の助手的な若き草刈正雄のイケメンっぷりと、一人二役、桜田淳子の美貌は見るものあり。
シリーズ皆勤賞の草笛光子、大滝秀治、小林昭二、三木のり平。
中でも、小林昭二には美味しいシーンが用意された。
犯人の隠し続けた哀しき過去とその動機。
犯人に同情的な悼みを禁じ得ない金田一と、犯人に仕えた小林昭二演じる人力車引きのラストシーンは、シリーズのトリを飾るに相応しいものであった。
(ついでに言うと、小説家Y役のアノ方の出演もね)
いつの日かまた、金田一がスクリーンに戻って来る事を信じて…。
我儘ながら、その時、「病院坂」の完璧な映像化も。
桜田淳子がエロっぽかった~
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