「どうしようもないワルの援護をしなきゃならないってのは藁の楯とかでも...」疑惑 時村さんの映画レビュー(感想・評価)
どうしようもないワルの援護をしなきゃならないってのは藁の楯とかでも...
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どうしようもないワルの援護をしなきゃならないってのは藁の楯とかでもあったけど、球磨子は六法全書を読み込んだり法廷で核心を突いたり意外と弱い部分を見せたりとなかなか多面的で面白い。感情的な球磨子と冷静な佐原弁護士の対比がずっと展開されるのが見所であるが最後にそれが崩れそうになる。法廷では敏腕で容赦ないがプライベートでは我が子との面会拒否を要求され法の限界に打ちのめされる佐原に対し、感情的で衝動的だが無罪を勝ち取った球磨子が挑発するシーンだ。「あんた自分のこと好きじゃないんでしょかわいそうな人ね」とワインをぶっかけられる。球磨子弁護への抗議電話にも涼しい顔で意に介さなかった佐原だがこれはこたえただろう。だが佐原はプライドを保ち冷静さを欠かなかった。何事もほどほどにしておけば好かれるのに不器用に「自分」を貫きすぎると周囲に嫌われてしまうんだよね。あそこでブチ切れて球磨子につかみかかったりワンワン泣いたりしたら二人は絶交してただろうけど、何か深い部分でこの二人は似た者同士なのかもしれないなあと思った。
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