「面白かった」CURE Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
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オカルト(神秘)は神ではなく人間が作るのであり、それ故に人間特有のありとあらゆる欠陥(狂気)、歪んだ欲望が噴き出る。能動的ではなく受動的に。
「あんたは誰?」と問われて、肩書きと名前以外に答えられる人はいない。
そして「あんたの話を聞かせて」と誘導されて、人格を侵食される。
侵食された人間の精神と肉体は切断される。切断されている間は意識(記憶)がない。その間に、ストレスや鬱憤の源に対してXの鉄槌を下すのだ。欲望を解放することで心を癒す恐怖の治療法。
しかし高部は侵食されなかった。白昼夢で自分の欲望を認識し、生肉を投げ捨てたあたりから、肉体にまとわり付く意識を自分で取り払った。
そして、空飛ぶバスでしか行けないあちら側の病院で、蓄音機の言葉(伯楽陶二郎による『癒せ、癒せ』)に導かれた高部は、間宮を引き継ぎ、新たな伝道者となった。
侵食されず、能動的に能力を手に入れた高部は、精神と肉体が鎖で繋がっているので、記憶喪失にならない。
心の負担の源である妻から解放され、すっかり食欲も戻った高部。ファミレスで旺盛に食事を済ませ、仕事も充実。ピースに火を点け(トリガー)、コーヒーをすする。
ナイフを下げるウェイトレスに「癒し」を施した?
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