さすらいの賭博師(ギャンブラー)
劇場公開日:1964年8月5日
解説
野村敏雄の“夜を賭けろ”より「夕陽の丘」の山崎巌が脚色「地獄の祭典」の牛原陽一が監督したアクションもの。撮影は「間諜中野学校 国籍のない男たち」の岩佐一泉。
1964年製作/100分/日本
配給:日活
劇場公開日:1964年8月5日
ストーリー
氷室浩次は、ダイスを振らせれば、右に出るものがいないといわれるほどの黄金の腕を持つ男。神戸の高級アパートに住み、恋人信子と楽しい生活を送っていた。が、ある夜、柏田組のボスに刺されたという血だるまの兄健一がころがりこんできた。氷室は単身柏田組になぐりこみをかけた。しかし、氷室がアパートに帰ってみると、恋人信子は、柏田組の手で殺されていた。一瞬にして、恋人と兄を奪われた氷室は、悲しみを忘れるために、一人さすらいの旅に出た。横浜へ着いた氷室は、港にほど近いバー「サイセリア」へバーテン見習として住みこんだ。そんなうちに、氷室はバーテン坂井から、マダム早苗をめぐって、この街の河村興業と浅野不動産が激しくいがみあっていることを知った。早苗は兄の友人河村を利用して、浅野から資産を取り返そうとしていた。早苗の兄は、数年前浅野の謀略で事業に失敗し、自殺したのだった。一方河村は、そんな早苗を利用して浅野の財産乗っとりを計った。そんなある夜浅野は、賭博打ち多吉をやとって河村の賭場へ勝負に出かけた。氷室はこれを知り賭場へ駆けつけた。黄金の腕は再びよみがえった。浅野とサシで勝負にいどんだ氷室は、浅野の全財産を吸いあげた。一方河村は、浅野の財産を奪おうと、必死に氷室を追った。そんなある日、氷室は、彼をつけまわすなぞの男篠田から今夜、河村興業の賭場で盛大なダイス賭博があることを聞き、単身賭場に乗りこんだ。この勝負も氷室の大勝に終った。同時に階下の事務所では、篠田の手引で拳銃密売団が逮捕された。篠田は刑事だったのだ。氷室はまたひとり寂しく何処へともなく旅立っていった。