君よ憤怒の河を渉れのレビュー・感想・評価
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中国で人気になったというから期待したのだがさっぱり駄目
総合30点 ( ストーリー:20点|キャスト:60点|演出:50点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )
普通の女性ならば本来なら隠したいはずたが、暴行を受けたはずの女が躊躇いも恥じらいもなくそのことをみんなの前で感情的に自ら晒す。そして警察は相手の一方的な言い分を聞いただけで、法的手続きも得ずにいきなり犯人扱いで主人公をすぐに逮捕するという冒頭の展開だけで十分変だった。しかもその演技や演出の質が、いかにも昔の作品といったかんじで低い。
さらに熊と飛行機の話と三沢の自衛隊機の映像の酷さといったらなかった。病院での話も警察の事件の処理もまるで現実感がなく、どれだけ出鱈目な人だったらこんなくだらない脚本が書けるのだろうかという水準だった。これならばむしろ喜劇にすべきだ。こんなに酷い物語をこんなに古臭くてわざとらしい演出で描かれてはまるでいいところがない。
高倉健がこの作品で中国で高い人気を得たというから、だいぶん期待して観たのだが全然たいしたことはなかった、いや相当に酷かった。健さんの作品でもこれより良いものはいくらでもある、というかこれより酷いものはなかなかないだろう。共産主義中国では法律が機能せずに無実なのに犯罪者にされる人が多いから、もしかするとこのような内容が受けたのかなとも思った。
この作品はフィクションです。
この大義名分が、絶大なる効力を発揮してる作品だった。
いや、面白かった。
オープニングから「なぜ?」が付きまとう展開で、ずっとそれがどこかに刺さってる。
その謎が、徐々に解明されていくのだが、その開示の仕方が絶妙で…観客に推理の隙間と時間を与えてくれる。
綿密に構成された脚本のイメージをもった。
また、これは、是非が問われると思うのだが…「熊」の登場に驚愕した。
周到な脚本だなあと思ってた矢先の「熊」である。
もし、眠気に襲われてる観客がいるとすれば、ここで起きずにはいられないだろう。
だが、現実世界には「偶然」という要素がある。この「熊」はまさにその偶然を脚本に組み込んだ秀逸な一例だともいえる。
とある理由で、手に取っ作品ではあったが、面白かった。
事が露見してから、最後にいたるスピード感も潔く、観客が確信を得てるラストには、もはやドラマはないとでも言わんばかりだ。
そして、何より、この時代の俳優のアクの強さが頼もしい。
犯人と、それを追う刑事。
彼らが、共闘するまでの経緯とかには凄く得心がいく。
また、それを納得できるだけのキャラクターであった。
この映画はフィクションです。
起こる物事自体はそうであるが、そこにはフィクションではない人間が息づいていたと思える。
だから、この作品は面白かった。
ただ、あの突拍子もない場違いなBGMには不快感しかなかった。
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