劇場公開日 1966年6月11日

「紀州・紀の川沿いの名家に嫁いだ女とその夫・家族が、明治・大正・昭和の動乱期をどのように生き、死していったのかを描く格調高い文芸大作」紀ノ川 resuwisshu311さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0紀州・紀の川沿いの名家に嫁いだ女とその夫・家族が、明治・大正・昭和の動乱期をどのように生き、死していったのかを描く格調高い文芸大作

2024年9月2日
PCから投稿

初見が10年ほど前だったが、食い入るように魅させられた「逸品」というに相応しい邦画といたく感動し感心した作品。
何度も再視聴しようとしたものの相応の心構えが必要な「敷居の高い」映画でもあるので、これほど年月が経ってしまった。
ようやくの再視聴に、初見時同様の感動感心が生じ誠に感慨深い。

中村登監督作品はいずれも格調高さと品格が感じられ、居住まいを正されると共に、深い充足感に満たされる場合が多い。
この際、他の作品も再視聴しようと思う。

書き忘れそうになったが、武満徹の不穏さを匂わせる音楽が最初のうちはそぐわないような気がしていたものの、話のすじ的に、結局はどんぴしゃりと適合していたとしか言いようがない素晴らしい音楽でした。
中村監督の狙いに武満音楽は完全に沿っていたのだなと、そこでも感心。また感心・・

resuwisshu311