キッズ・リターンのレビュー・感想・評価
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悶えろ!青春
シンジ「マーちゃん 俺たちもう終わっちゃったのかなー?」
マサル「バカヤロー まだ始まっちゃいねーよ」
監督と脚本は『あの夏、いちばん静かな海。』『ソナチネ』『HANA-BI』『座頭市』『アウトレイジ』の北野武
久々に鑑賞
思うところあって今月集中的に北野武作品を見返している
粗筋
仲良し悪ガキ高校生コンビがボクシング挑戦をきっかけに袂を分かつ
才能がなくボクサーに挫折したマサルはヤクザな道を踏み組の親分を目指す
マサルの付き添いできたシンジにはボクシングの才能がありプロボクサーとしてチャンピオンを目指す
青春群像劇
安藤政信が最高にかっこいい
当時新人だったようだ
彼はもっともっと売れても良かった気がする
2人だけの話だと記憶していたがマサルとシンジの同級生ヒロシが職を転々としたり
ジムのチャンピオンのイーグル飛鳥が試合に負けて引退したり
漫才コンビ南極五十五号が売れっ子芸人を目指して日々ステージに上がる
などなど
そちらの方にもスポットライトを浴びせている
北野映画の劇中音楽はやはり久石譲がよく似合う
下条正巳は北野映画にも出演していたんだな
カツアゲされる高校生に宮藤官九郎それはわりとよく取り上げられる
しかしその隣には空耳アワーでお馴染みの菊川浩二が
「アホな放尿犯」「みりん?ぽいなぽいな」「ナゲット割って父ちゃん どうすんだい!」の菊川浩二の姿がそこにはいた
ちなみに「悶える」という言葉は元々いやらしいことに限定した言葉でなかったらしい
「悩ましい」にしてもそう
なぜネガティブな誤用が正しいものとして浸透してしまうのか
配役
カツアゲや暴力や酒タバコなどやりたい放題の不良高校生のミヤワキマサルに金子賢
マサルを「マーちゃん」と呼びマサルを慕いよく連んでいるが暴力は振るわない親友のタカギシンジに安藤政信
我流を薦めるジムの先輩ボクサーのハヤシにモロ師岡
ジムの会長に山谷初男
ベテランのトレーナーのシゲさんに重久剛一
いざこざを起こしたマサルと助っ人ボクサーを止めるジムのトレーナーに倉崎青児
練習生にミット打ちの指導をするジムのトレーナーに梅津正彦
マサルにカツアゲされた高校生の知人の助っ人ボクサーに石井光
ジムのチャンピオンのイーグル飛鳥に吉田晃太郎
シンジにジャブを教えるボクシング練習生の先輩に松本理寛
ボクシング練習生に水島新太郎
普段は穏やかなヤクザの組長に石橋凌
すぐキレる組の若頭に寺島進
ラーメン屋の息子で組の子分のカズオに津田寛治
ヤクザの親分に下条正巳
マサルの同級生で真面目な性格のヒロシに柏谷享助
不良三人組のリーダーのハナヤマに矢部享祐
不良三人組の短髪に大塚義隆
不良3人組の金髪に翁和輝
漫才コンビの南極五十五号に北京ゲンジ
母の仕事を手伝うサチコに大家由祐子
喫茶店を経営するサチコの母に丘みつ子
はかりの会社の上司に平泉成
タクシー会社の上司に日野陽仁
ヒロシが乗せたタクシーの客に大杉漣
日本史を担当する担任教師に森本レオ
マサルやシンジに新車カローラを燃やされる教師の橋田に芦川誠
メガネをかけたベテラン教師に伊藤幸純
マサルにかつあげされる高校生に宮藤官九郎
マサルにかつあげされる高校生に菊川浩二
ラーメン屋の親父に田村元治
成人映画を扱う映画館のもぎりのおばさんに松美里杷
組長と対立する別の組織のヤクザで自転車に乗って組長を襲うト字たかお
グラサンの大男にジャンボ杉田
酒場の男に森下能幸
俺たち…終わっちゃったのかな…?
北野武監督が、自身を俳優ビートたけしとして出さない、数少ない作品の一つ。
二人の不良少年がいる。
一方はボクシングに挑み、もう一方はヤクザの道に突き進む。
日本に数多くあるボクシングジムで、そこに通っている者だけで、プロボクシングの
ライセンスを得られるのは、ごく一握りだけ。
その上で日本チャンピョン、更に上の世界チャンピョンに登り詰める人間など
数千平方キロメートルの砂浜で、小さなダイヤの原石1粒を見つける様な
奇跡の数…
もう一つのヤクザの世界も、よく「ニューヤクザの映画」で見られる、若いのに
ヤクザ世界の上下関係を理解できず、親分にタメ口を聞く奴なんか、実際の
ヤクザの世界では、あっさり切り捨てられるという現実…
ラストは、ネタバレになるので書きません。
久石譲さんが北野映画で作った曲では、この作品が一番好きですね。
北野映画で、唯一サントラを買って聴いていました。
最後のセリフが、最高👍️
評価が良さげだったんで、楽しみにして観たら、あんま良くない…
最後のセリフが最高だけど、作品全体を評価すると、60点ぐらい。
演技、下手ですね…(苦笑)
最後のセリフに、元気や勇気もらえます。
配信がない
安藤政信にハマってからずっと見たかったが、配信されないのでついにゲオ宅配レンタルで借りた。
昔の日本映画って感じ。演技が大袈裟(?)なのも哀愁がある。
ヤクザも出る。昔っていうよりかは北野武だから?
安藤政信かっこいい!
ボクシングで鼻が曲がって悲しんでるところを北野監督に慰められたらしい。
北野武くん、まともな映画も作れるんだ‼️
北野武も松本人志もくだらない映画作りで、趣味を行かせていいなー、そう思います。
これは、唯一まともです。
なぜなら、演技が良いからです、キャスティングだけは凄いんですね。
安藤政信、は、良いですよ。
このテーマで一本撮りきる北野武に痺れた
青春映画の傑作と言おう。
未だ始まっていないと言わせつつ青春の終わりの始まりを確かに切り取る北野ベスト。
そこに高らかに響く切実なテーマ曲が、自らの手で青春を才能を握り潰して人生最良の時期を終わらせる愚を思い切り「肯定」する。
その北野の眼差しは優しい。
そこがいい。
人生うまくいかない、けど進む。色んな性格や、やり方が、あるけどどれ...
人生うまくいかない、けど進む。色んな性格や、やり方が、あるけどどれでもすべてうまくいく事はない。生きてるかぎりは前に進もうというのが上手に描かれていた。冒頭から音楽が最高だった。
単調な映画だった
何か面白いわけではなく、人間は流されて流されて楽な方に流れていって、落ちるところまで落ちるか、最後は落ちる感じの映画だった。
その中には人間の自己中心的な考え方が垣間見えて、なんとも後味の悪さがあった。
漫才コンビが対照的に描かれていたのはビートたけし監督だからかな。
挫折を経た成長の青春期を温かく見詰めた北野監督の映像センスのオリジナリティー
北野武、脚本・監督の昨年度話題になった作品。第一作をテレビ見学してから暫くぶりの北野作品だったが、詩的な映画の世界観に一目置く評価をするに至る。青春前期の不良学生二人の無軌道な時間を余分な装飾を省いて描いた、若い人たちへの作者の愛情と理解が底辺に確りとある好感の持てる繊細な青春映画に仕上がっていた。シチュエーションに凝った映像美は無い。その代わりカット繋ぎに監督独自の個性がある。その間や語り口は漫才師出身の監督のオリジナリティーであり、日本映画では余り見掛けない編集の面白さであった。今回感心したひとつに、この編集が挙げられる。北野監督自身編集に加わっているのが納得の成果である。
演出では、淀川長治氏が絶賛した二人乗りの自転車が授業中の誰もいない校庭で戯れるシーンが素晴らしい。主人公ふたりの疎外感と危うさ、そして自由気ままに見えて何処へ行けばいいのか分からない不安感。その無軌道な青春の時を象徴する映像表現の感覚の見事さ。そのワンシーンの表現力に感心していると、更にラストシーンで物語の核心を突く使い方の技巧の高さに唸らされる。ここでは教室から二人を見下ろす教師の台詞が意味深い。数年前と同じ馬鹿な戯れをまたやっていると軽蔑するが、成長していないのは代わり映えしない授業を繰り返す教師の方ではないのかと。
主人公ふたりがそれぞれボクサーとヤクザの道を選び、一時は自分の満足とするポジション、到達点にのし上がったと思いきや、再び以前の姿に回帰する挫折の物語。しかし、その挫折感は若者に許された成長のひとつの証しとして、清々しく終わる。自分が納得した生き方をした結果に過ぎない潔さが共感を呼ぶ。また、通常の映画が行う主人公の家庭や家族の描写を省略して、家庭事情や社会問題の安易な映画的解決を避けているのもいい。主人公ふたりの一高校生の姿に集中して、これを支える同級生たちの社会人として出発するエピソードを効果的にカットバックさせている。全体のユーモアとシリアスのバランスも絶妙であった。
タイトルバックのセンス、音楽の使い方のセンス、俳優に過剰な芝居を求めないセンス、この北野監督の鋭敏な映画感覚で独特な味わいの詩的映像の世界を創作したことに、素直に賛美を送りたい。
1997年 1月20日
もしかしたら1990年の中原俊監督の櫻の園の北野武監督なりのリメイクであったのかもしれません
希にみる傑作です
若い時の全能感
やがてそれが打ち砕かれる時が誰にも訪れます
大人になるというのはそれを言うのだと思います
まだ始まっちゃいねーんだよ!
まだ全能感が失われてなければ、まだ子供で居られるのです
ポジティブであれ!
若者へのエールのようで、実はバブル崩壊でうつむいていた当時の大人へのエールだと思いました
というかそのエールは20年以上経っても今もなお必要とされています
普遍性を持つ名作だという証明なのでしょう
そして、もしかしたら1990年の中原俊監督の櫻の園の北野武監督なりのリメイクであったのかもしれません
落ちこぼれは落ちこぼれなりの青春があり、繰り返し同じようで、ひとりひとりの青春は唯一無二のものなのです
誰しもが経験する物語
極道の世界へ入るも厳しい掟を前に制裁を受けるシンジ、ボクシングで頂点を目指すも周囲の人間関係で自ら堕ちていくマサル、2人それぞれが夢を追いかけそして挫折して、それでも最後にママチャリを2人乗りしながら笑っている所で鑑賞者それぞれが自分の人生と照らし合わせることができる作品だった。
今作も久石譲の音楽が素晴らしい。
全然笑えない漫才の練習をする姿や、成人映画館になんとか入ろうとす...
全然笑えない漫才の練習をする姿や、成人映画館になんとか入ろうとする様子がなかなか良かった。説明的な部分を一切排除。卒業式もなかったし、それぞれの道を進む経緯もはっきりしない。何となくわかる、すべて勝手に想像してくれ、勝手に感情移入してくれ・・・そんな投げやりなプロット。しかし、皆虚しい生き方。心理描写がさっぱりないのだ。
変な営業の会社からタクシー運転手になった二人なんかは、一般的だからもっと描写してほしいところだ。漫才の彼らが一番まともそうに見えるところなんて、タケシの勝手な思い込みでしかない。ヤクザなんか出すなよ・・・
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