ガンマ第3号 宇宙大作戦のレビュー・感想・評価
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日米伊合作
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深作監督(当時38歳)がオール外人キャストで撮った宇宙物、外人キャストと言っても在日の軍人さんなど殆どは素人、米国からの持ち込み企画でしたが元ネタはイタリアのガンマ・ワンと呼ばれる宇宙ステーションを舞台とした冒険SFのTVシリーズです。
CGは無い時代ですから特撮ものなら日本で撮る方が安上がり、東映の方も販路拡大を狙っていたのでしょう。米国向けは「グリーンスライム」というタイトルで90分、日本語版は指揮官と女医の三角関係のもつれなど軟派な所をカット、音楽も津島利章(米国版はチャールズ・フォックス)で特撮風にした77分バージョンで製作されました。
深作SFの真骨頂は本作の10年後に撮ったスターウォーズの向こうをはって里見八犬伝を基にしたスペース・オペラ「宇宙からのメーッセージ(1978)」の方でしょうが本作も凛とした主人公、ヒーローものとしてみれば監督の硬派路線が伺えます。
残念なのは怪物が頂けない、アメーバ―の時は液体人間風で怪奇的ですが変態すると一つ目の妖怪風で陳腐、もっとも着ぐるみの中は子供たちなので動きももっさりで格闘は無理、造形に制約もあったのでしょう、これでは深作監督の持ち味のバイオレンスが描けませんね。
プロットとしては惑星衝突の危機と宇宙生物の恐怖の合体は良いですね、今では当たり前ですが本格的に扱っていれば後の「アルマゲドン(1998)」や「エイリアン(1979)」クラスの先駆けにも仕上げられたのに惜しい気がします。特撮の渡辺 明さんは円谷監督の片腕だった人ですから東宝特撮に引けを取りませんが、子供向けと手を抜いたのでしょう、返す返すも怪物デザインは残念でした。
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