がんばっていきまっしょい(1998)のレビュー・感想・評価
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爽やかな青春ドラマ
田中麗奈が持病の目まいがしてきてもがんばってオールをこぐときの表情と、幼馴染の男の子に自転車の後ろに乗せてもらっている時の小雪が舞い降りているシーンが印象的な映画でした。
特にドラマティックな展開があるわけでもなく、泣かせるような類の映画でもないけれど、非常にピュアな気持ち、なぜか郷愁をさそう懐かしい気持ちにしてくれる映画です。松山の景色、特に海が綺麗です。主人公の田中麗奈ほか高校生が初々しい素晴らしい青春映画です。なにも興味のなかった主人公がボート部に入って、生きがいを見出し、毎日練習に打ち込む姿に胸を打たれます。だれでも一つのことに打ち込んでいる姿は輝いて見えるんですね。
唯一残念なのは、中嶋朋子のコーチ役が冷めた感じで、この映画の雰囲気を壊しています。
麗奈ちゃんのギックリ腰
共通一次試験元年にあたる高校生なので、俺と同じ年だ!新人戦までという約束で無理やり入部した3人。新人戦ではボロボロ・・・結果が結果だけにやめられなくなった彼女たちであった。コーチ(中嶋朋子)も決まったけど、ほとんど何も教えてくれない。やがて彼女たちは進級して後輩も一人入部してくるが、なんと麗奈ちゃんがギックリ腰になり医者にボートをやめるように言われる・・・
『スウィングガールズ』で開花したガーリームービーというジャンル。邦画ではこの『がんばっていきまっしょい』がその流れの始まりだったのかもしれません。
いきなり優勝じゃ面白くないけど、ボート始めてから間もない彼女たちの頑張り方は誰にでも共感できるもの。最後の最後、負けてしまうけど、充実感でいっぱいになる彼女たちがほんとに輝いていた。
人生、走り疲れた時に・・・
ある日 どこかで
この作品の予告を観る機会があり
何気に観ていると その場から動けなくなった
切ない音楽と 輝く海の風景
そんな予告編が終わるまでの数分間
なんだか涙が溢れて溢れて止まらなかった
数ヶ月後
映画本編をついに観たとき
あの日止まらなかった涙は
再びエンドロールまで溢れ続けた
海辺の街の 小さな小さな世界で
小さな目標に全力で没頭している姿
純粋で ひた向きな気持ちや表情
自分が十代だった頃・・・
今振り返ると小さな世界や目標も
あの頃は確かにデッかくて大きかった
社会で良いも悪いも経験し
いろいろ乗り越えて来た今
ずいぶん大人になってしまった自分に
《がんばっていきまっしょい》の掛け声が
心の奥にストレートに突き刺さった
いつまでも忘れたくない作品の1つ
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