「何度観ても飽きない、色褪せない。」ガメラ 大怪獣空中決戦 Takashiさんの映画レビュー(感想・評価)
何度観ても飽きない、色褪せない。
祝・生誕60周年ドルビー再上映。
5年前も同劇場で鑑賞したが、また観れるとは実に喜ばしい。平成ガメラシリーズは私にとって何物にも代え難い作品たちなので嬉しさも爆上がりだ。
最初に観たのが30年前の公開当時な訳で、そこから好きだと流石に客観的な視点で観ることは難しく、好き前提による主観が感想の大半を占める。とは言え、今観ても映像的に物凄く古臭く感じるとか不自然な箇所が多いとかが無いのが凄い。
私は世代的に平成ゴジラもよく観ていて今も好きだが、面白さの差ではなく、リアリティや没入感といった作品により深く入り込めるかどうかの点でガメラのほうが上回っていると感じている。それは作りこみの差ではないかと思っている。単にリアルなセットや着ぐるみを作ればよいということではなく、例えばカメラワーク等の工夫でどうやって観客に見せるのか、実際の映像と合成する際やCGを使う際にそこだけ浮かないようにするにはどうするのか、そういう所が本当に上手く出来ている。そりゃここはミニチュアだろうとか合成やらCGやらだろうとかは観れば分かるが、その瞬間に明らかに浮いているのは駄目だ。一瞬で没入感が削がれるからだ。つまり、平成ガメラシリーズは作品に集中できるという点で群を抜いているのだ。
今回のガメラは顔が大きくややずんぐりしている体型で見方によればかわいいかもしれない。だがその分、ギャオスが怖い。捕食、とにかく捕食。最初から最後までずっと人を襲う。冷静に考えて怖すぎるでしょ。このバランスが良い。古代文明とかのファンタジー要素も取り込んでいるものの、設定はしっかりと作りこんでおり、ニュース映像等の日常風景を上手く入れ込むことで現実感も醸し出している。まぁニュース場面が多いのは製作が日テレだからだろうが。
特撮なんて時代遅れ、なんてお考えの皆さまには是非一度、この作品を観てほしい。リアリティとはCGが凄いことを言うのではないという事が分かって頂けるはずだ。ストーリーや設定、俳優の演技から監督の演出、特撮技術など全てがマッチするからこそなのだ。当然30年前の映画だから今より劣っている部分はあるだろう。だが本当に魅力がない作品なら、単に映像綺麗にしましたよ、というだけでは観れたものではないだろう。もともと優れた作品であり、見所が満載だからこそ4Kドルビーに見合うものになるのだ。あとサントラ、これを忘れてはいけない。大谷幸氏による素晴らしい曲たちがまた合うんだこれが。
少しでもこの「1」が面白いと感じたならば是非「2」も観てほしい。何故?私が「2」が一番好きだからだ!その際は2分ぐらいあるロングバージョンの予告編は観ないでほしい。あれは、オチ以外のストーリーほぼネタバレだから(笑)。
