「還暦のガメラ それぞれのガメラ愛」大怪獣ガメラ シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
還暦のガメラ それぞれのガメラ愛
金子修介監督の平成ガメラ三部作は大好きだけど、ガメラ誕生60周年記念で4Kリマスターしたオリジナル作品を劇場で観られるのはありがたいです。しかも平成ガメラの特技監督だった樋口真嗣監督がリマスターの監修をしてるところがいい感じで、本当にガメラ愛が感じられますね。お話しは北極海の氷山で冬眠していた古代生物ガメラが、核爆発で復活し大暴れするのを、人類が頑張って排除する単純なものです。ゴジラ第一作目とどうしても比べてしまうけど、ゴジラの魔王のような禍々しさに対して、ガメラの造形は恐ろしげで生物的な生々しさがあります。灯台のある崖から顔を出し睨みつけるシーンは、今観ても不気味な迫力があります。また、ガメラの火炎放射で群衆が情け容赦なく焼き殺されるシーンは当時の怪獣映画としては斬新で、平成ガメラにも引き継がれていますね。一方で、古い作品とは言え、特撮やミニチュアなどチープな所も多く、ストーリーもあれこれガメラ対策を出してくる割にはあまり盛り上がらず、いちいち腕白小僧(死語)がやたらと絡んでくるのがウザイです。それでも、上映終了後には、少なからず拍手がありました。リアルタイムで観ていたファンの方みたいだったけど、みんな、ガメラがお好きなんですね。いっそ、令和ガメラシリーズを作って欲しいです。
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