「この作品は絶対に見逃してはならない。」蒲田行進曲 KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
この作品は絶対に見逃してはならない。
風間杜夫がモテまくる遊び人の映画ではないのだよ。全然違うし。映画が始まって15分ぐらいしたところで突然主人公が入れ替わったので驚いた。
松坂慶子と言うと、この映画が公開された同時は近づきがたいような美女というイメージが強かった。その彼女がこのようなキャラクターを演じて当時映画館で見た人はきっと驚いたに違いない。この映画には女性でなければ描けないと思われるようなシーンがいくつかあり、それらの積み重ねによって主人公がとてもリアルになり親近感のようなものが高まっていくのを感じた。これはとても男性が描いた脚本には思えない。しかるにこの作品が嫌いだという女性も少なくない。「愛して尽くしたのにこの仕打ちはないじゃない」って。この映画の脚本家は女の良さとか男のアホさを知り尽くしているようだ・・
主人公3人たちのそれぞれの相手に対する気持ちの変化というものが非常によく描けている。ほぼ三人だけのドラマだが、しっかり絵が決まれているので長さもあるし、ドラマ的盛り上がりは深作作品の中でもNo1であろう。とにかく脚本が良い。原作は舞台。東京で大ヒットした。この作品もまた、描こうと思って描けるレベルの脚本ではなく何かの偶然によって生まれた傑作なのであろう。
遅ればせながら一発で松坂慶子のファンになった。
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