「日本の映画の歴史、伝統、誇りを総てを土台にして本作がある そこが素晴らしい」蒲田行進曲 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
日本の映画の歴史、伝統、誇りを総てを土台にして本作がある そこが素晴らしい
映画の裏側を描く映画
古くはサンセット大通り、イブの総て、スタア誕生、近くはLaLaランドとか色々有りますが、本作に一番近いのはフランソワ・トリュフォー監督の1973年の「映画に愛をこめて アメリカの夜」だろう
あちらは監督を中心に、こちらは大部屋俳優を中心に描いている違いがあるが、やりたいことは同じだ
映画にかかわる人々と映画そのものへの讃歌であり、違いはない
その映画でも、映画の中で映画が撮られており、その本番シーンが挿入される構造も同じだ
おそらくかなり参考にしたのではないかと思うシーンもあったように感じた
しかし本当に日本の物に完全になっている
日本の映画の歴史、伝統、誇りを総てを土台にして本作があるのだということは間違いなくわかるからだ
そこが素晴らしい
東映の京都撮影所が舞台であるのに題名が蒲田行進曲なのは、製作が松竹だからではない
その伝統に対して今も行進しているのだということを表しているに違いない
本作から37年後、タランティーノ監督がハリウッドで本作のリメイクを作った
そうワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドだ
あれはハリウッド版蒲田行進曲だったのだと思う
タランティーノのことだから、深作欣二監督の本作を観ていない訳はない
映画への愛の行進は1世紀をかけて、ハリウッドからフランスに、そして日本に、そしてついに地球を一周してハリウッドに戻ったのだ
本作にはそれほどの力がある
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