劇場公開日 1996年10月19日

「包み込む優しさ」学校II 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5包み込む優しさ

2023年3月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

楽しい

幸せ

序盤と終盤、物語の端と端に高志と佑矢の大冒険、真ん中に核となるそれまでの話を厳しさよりも優しく丁寧な演出描写が印象的に思える山田洋次監督。

徹しきれない振り回されてばかりの永瀬正敏が一般的な人物像を演じている役柄にも、普通の感覚を割り当てる傾向で山田洋次が演出する永瀬が良くも悪くも人間らしくて大好きだ。

ディカプリオの『ギルバート・グレイプ』より早い吉岡秀隆の演技かと思いきやそれは大袈裟か、仕事を覚えるのが遅い、職場の環境に慣れない、対人関係での悩み、社会に出る事で起こり得る不安や葛藤など、リュー先生もコバちゃんや玲子先生も皆んなが日々を悩んでいる、少しずつ余裕が持て思いやりが中心になれたのなら隔てる必要のない世の中へと、厳しいばかりじゃ、甘い考えがより良き社会に繋がるかもしれない、甘いか!?

西田敏行の安定したキャラに微笑ましくも癒され、いしだあゆみの華奢ながら強い女性像が逞しくて、そんな二人のちょっとした場面に涙が出そうになりながら。

万年 東一