劇場公開日 1963年12月22日

「敗戦国日本のアイデンティティ再構築。」海底軍艦 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0敗戦国日本のアイデンティティ再構築。

2023年11月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

単純

まずはじめに。
円谷プロの特撮には感心させられるのみ。
1963(昭和38)年に到達していたレベルが高すぎて、何度見てもスゴい!のひとことしかない。

肝心の中味について。
監督はじめ俳優陣にも旧軍人がズラリ。
全編通じて、旧帝国海軍(の技術力)へのリスペクトと共に、

・超兵器「冷線砲」を搭載した海底軍艦(轟天号)を、知られざる孤島で作れてしまう神宮寺大佐(田崎潤)
・終戦時、命令に背いて日本脱出を図った神宮寺大佐を見逃した楠見元海軍技術少将(上原謙←加山雄三の父親)
・大日本帝国再興を目論む神宮寺を、痛烈に面罵する旗中進(高島忠夫←高島兄弟の父親)

を軸に物語が進行していく。

終戦から18年、ようやく衣食足りつつあった日本人。
敗戦で打ちひしがれ、混乱し、忘れられた『日本(人)のアイデンティティや誇り』を見出そうとする試みを感じてしまう。
※深読みし過ぎの可能性もある(笑)

日本って、技術力高くね?
大和だって、伊400だって、日本だけだよね?
そうね、やっぱそっちだよね。

ということで、空・陸・海を支配できる轟天号に
野蛮な悪者「ムウ帝国」を殲滅させることに。

日本の超兵器が世界を救う第一号は、轟天号。
その次は、宇宙戦艦ヤマトがその役目を引き継ぐことになる。
※冷線砲と波動砲、似てますよね?(笑)

ムウ帝国の女帝(小林哲子)や、ムウの守護龍マンダを応援してしまった不届きな非国民が、意外と多かったのでないでしょうか?
私もその一人です。。。

Haihai