劇場公開日 2024年8月9日

「まさかの重厚感とノワール風味」劇場版カードキャプターさくら 今日は休館日さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5まさかの重厚感とノワール風味

2024年8月10日
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鑑賞方法:映画館

25周年記念上映にて。過去にアニメを十話程見た程度のにわかが、ファンに連れられて鑑賞。

1999年の作品ということで、舞台は返還前後の香港でしょうか。その時点でかなり好物。エキゾチックでオリエンタル、近代的なビルと裏道の対比、湿気と雑踏。

別に舐めていた訳ではないけど、ここまでズシッと重厚な演出は予想外でした。光と影の表現が細やかで、カメラワークもかなり凝ったつくり。さくらちゃんの顔に影を落とすことを厭わない感じは、こういったアニメではかなり挑戦的なのではと思ったり。
迫り来る不穏な空気が、べっとりヒリヒリと表現されていて。水や鳥の表現もなかなかホラー。大人顔負け。本格派。

一方でコメディとのメリハリがしっかり効いているので、緩急のテンポがとても良い。90分の作品とはいえ、一つのエピソードでも全然だらけない。ここは構成力がすごいですね。お姉さん達素敵すぎ。

アクションシーンはもう少しスピード感があれば満点な気もしたけど、それは最近のアニメに慣れすぎたが故。全然全然。素晴らしいクオリティ。最後のオチもシンプルですが心地よく。

全体的に予想外の雰囲気をまとった作品で。キャラクターが強いので作品性を損なうことなく、一方で実験的・挑戦的な作品だと感じました。自分の守備範囲外の作品でしたが、素晴らしい発見でした。

※同時上映のCLOVERも、また異なるテクスチャで、それはそれで魅力的でした

今日は休館日