劇場公開日 1979年5月26日

「細かいことは放って、昭和の盛り場の気分を味わって楽しむ、そんな映画です それを楽しめない、楽しむ気が無い、興味すらないないなら、本作を観る意味も価値も無いでしょう」俺達に墓はない あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0細かいことは放って、昭和の盛り場の気分を味わって楽しむ、そんな映画です それを楽しめない、楽しむ気が無い、興味すらないないなら、本作を観る意味も価値も無いでしょう

2022年4月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

トルコ風呂表記の看板がソープランドに変わる前の映画
新宿で若い時分にふらふらしたことがある人なら懐かしい光景が沢山でてきます

都築興業のビルの特徴的な形状は、本作公開のわずか4ヵ月前の大阪の三菱銀行北畠支店で起こった強盗事件の現場に似ているから選ばれたのでしょう

ゴールデン街
あの当時から魔屈のイメージ
いまはさほどでもないけれども当時は難易度がかなり高めでした

デパートの売り場の綺麗なお姉さんはよくディスコとかでみかけました
といってもミチのように派遣店員さんが多いです

うーん、そんな女性と知り合って昔遊んだこともあったりするような(汗)

もちろんミチみたいなシャブ漬けじゃない真っ当な素敵な女性でしたよ
そんなの映画だけのお話

彼女達も実は大変なんです
今は定休日もないし、閉店時間は遅いし、長く勤めたからといってキャリアが積めるわけでなし、給料も40年も経つのに全然昔と大して変わらないままみたいで、遊ぶ余裕なんか今の娘さん達にはあまり無さそうです
フルタイムで働けたらまだ良い方なんですから

成田空港は本作の1年前の1978年5月に開港したばかり
チラリと写る管制塔は、過激派に占拠されて機器を破壊される事件があり開港が2ヵ月程遅れたりしました
ホットなロケ地というわけです

主人公島の松田優作は、従来通りの松田優作で大して観るべきところはなし
むしろマンネリ

滝田役の志賀勝が準主役級の扱いで一番目立っていて良い仕事をしています
背中の安っぽい刺青、青い剃り跡のあるM字のパンチパーマとへの字の口髭、四角い茶色のレンズのサングラス、そして大阪弁
見事な造形です

島の弟分のヒコ役の岩城滉一はこれからブレイクしていく予感を放っています

ミチ役の竹田かほりはベッドシーンもあるものの露出不足

細かいことは放って、昭和の盛り場の気分を味わって楽しむ、そんな映画です
それを楽しめない、楽しむ気が無い、興味すらないないなら、本作を観る意味も価値も無いでしょう

あき240