親馬鹿大将
劇場公開日:1948年5月2日
解説
「第二の抱擁」「初恋物語(1947)」の黒岩健而の企画で、川口松太郎の「夜の門」に次ぐ原案で、脚本は「春の饗宴」の山本嘉次郎(東宝)。戦前「愛の一家」を発表した春原政久が「狸になつた和尚さん」に次ぎ戦後第二回作品として監督する。カメラは「オリオン星座」の長井信一「タヌキ紳士登場」の柳家金語楼、「蝶々失踪事件」の三益愛子、「運命の暦」の小林桂樹と「生活の樹」以来の由利みさをが東京多摩川での第一回作として主演。その他「おスミの持参金」のアキレタ・ボーイズの三人組が応援出演する。
1948年製作/81分/日本
配給:大映・東京
劇場公開日:1948年5月2日
ストーリー
新婚旅行にいってもワリカンにしようといい、宿にボラれると心配した大山夫妻は結婚後二十年、その効あってか今では表通りに金融業大山商会の看板をあげ、インフレで苦しむ人を金で操っていた。しかし金に目のない夫婦にも親の愛はあった。二人の仲に出来た金太郎、みどりの兄妹はそれぞれ大学工科、医専に通うインテリでそれだけに金助夫婦の鼻が高い。しかし悪徳を重ねた夫婦は百万円の偽札を握らされ、それだけですまず、空巣に入られて無一文になってしまった。若い二人は、反って喜び、昨日までのあの肩身の狭さも忘れた様に街を闊歩して、アルバイトの口を探すのだった。ショげる夫婦も子に励まされ、今日は生れて始めての職探し。結局、街であった昔なじみのやっている宣伝員に雇われる。宣伝員とは、実はチンドン屋。クサったがしかたない。金太郎、みどりにはそれぞれアルバイトで親しくなった貴美子、塚本という恋人が出来た。ある日社長の命令でいやいや大学通りを流していた夫婦の予想は適中して、兄妹に真相がばれてしまう。しかしここですべては解決し、金助夫婦は金太郎、貴美子、みどり、塚本という職業戦線で未来を約束した二組と共に笑いあうのだった。