「「生」と「性」と「嫉妬」」鬼婆 たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)
「生」と「性」と「嫉妬」
「生」と「性」と「嫉妬」……人間の本能をあぶり出した新藤兼人監督による傑作!
戦乱の時代、男たちは戦場に駆り出されて、うねるような葦の湿原に住む中年女(乙羽信子)とその嫁=若い女(吉村実子)は落武者狩りをして生活していた。…「生」の描写。
そこに倅の友人の若い男(佐藤慶)が戦場から戻って来て、若い女を誘惑する。それに応える若い女。…「性」の描写。
若い二人の男女の仲に「嫉妬」する中年女が取った行動から、恐ろしい結末が……という若干ホラーっぽい展開を見せる映画。
しかし、新藤兼人のオリジナル脚本であるが、よくこんな物語を描こうと思ったものだ……と感心するしかない。
また、葦の湿原のうねりを捉えたリ、その湿原を疾走する若い女を捉えたり……と撮影も見事!
本当に、日本が世界に誇ってよい傑作の1つを観ることができて嬉しい。
<映倫No.13629>
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