男はつらいよ 寅次郎の告白のレビュー・感想・評価
全4件を表示
このシリーズで、主人公を笑った事は一度も無い。恋愛を無様と思った事も一度も無い。
たまたま、テレビでやっていたので、見てみたが、やっぱり、全く共感できない。他人をディスるのは良いが、ディスられた相手の心に刺さって来るようなディスり。あとから『とんでもない事言ってしまってすみません』って言って謝れる様な内容ではない。こんな奴いたら、絶対に許せない。
この映画では、就職と言うハンディを直ちに諦めているが、幾らでも方法はある。東大の法学部ばかりが大卒資格ではない。夜間の大学もあるし、それこそ短大だってある。働きながら、勉強すれば良いではないか!
『大企業が、定年を60歳にしたから、中小企業は困る』ってセリフがあるが、まだこの頃、団塊の世代は46歳と働き盛り。人手が足らないのは、戦争で沢山の人間が亡くなっているからだ。最近、この監督は『プラン75』なる映画を褒めていたが、どういった見方を、この日本社会に当てているのだろう。 全く、監督として、そして、文化人としての資質が疑われる。
僕には偏見がある。
商業主義な映画が、ノスタルジーを語っても、欺瞞だらけの表現であり、所詮、偽善でしかない。
2024年11/11再見する
鑑みれば、ポーランドのオシフィエンチムで切符を買おうとした時『お客さん、中で買ってください』って言われた事を思い出した。
ほどほどに、無様に、恋する
"男はつらいよ" シリーズ第44作。
Huluで鑑賞。
長年の経験から恋愛マイスターと化した寅さん。指南は得意なのに自分のことだとからっきしなのは相変わらず。本作でもこんな名言が。「いいか。恋と云うものはな、長続きさせるには、ほどほどに愛すると云うことを覚えなきゃいけない」…
なるほど。スタートの時点で一気に出し切ってしまうと、必ず失速するってことか。とても勉強になります!
人生指南も得意なのが寅さんのすごいところ。悩める泉ちゃんの話を聞き、そっとアドバイス。泣かせてくれました。
満男と泉ちゃんの、鳥取砂丘での再会シーンがとても感動的でした。満男の必死さは傍から見ると無様かもしれませんが、本人はとっても真剣。真っ直ぐな想いに心打たれました。
つまり人は無様に恋をする生き物と見つけたり。
[以降の鑑賞記録]
2022/08/13:BSテレ東「土曜は寅さん!」(4Kデジタル修復版)
※修正(2024/03/02)
人は無様に美しい恋をする
シリーズ44作目。
泉が就職の面接を受ける為、名古屋から上京してきた。満男は両親に挨拶したりして、朝から上機嫌。
ちょうど寅さんも帰って来る。(帰って来て早々、くるまやの店員・三瓶ちゃんに商売のさくらをやらせようとして、皆に呆れさせられる)
皆が集った夕食。いつも独りで寂しく夕食を取っている泉にとっては、本当に温かく楽しいひと時。
翌日、満男も付き添って就職の面接へ。学生時代の音楽の先生からの紹介の楽器店であったのだが…、
泉の度々の転校。その原因である両親の離婚。母親の水商売。…
泉自体は何も悪くないのに、複雑な家庭事情や偏見が…。
何の力にもなってやれない満男は、自分の無力さを痛感する。
泉は気落ちしたまま名古屋へ帰る。
追い討ちを掛けるかのように、母・礼子が今付き合ってる男性と再婚したいと言い出す。
母の幸せを思えば悪い話ではないのだが(相手の男性もいい人そう)、まだ若い女の子にこれら全ては抱えきれない事ばかり。
突然、泉は家出する…。
泉は鳥取を一人旅。
偶然にもそこで、寅さんと再会。
また泉は鳥取から満男にハガキを出しており、心配した満男も鳥取へ。鳥取砂丘にて合流する。
満男と泉のラブストーリー第3章。
今回は、泉の薄幸のヒロイン像がよりクローズアップ。
確かに改めて振り返ると、泉の背景は決して幸せとは言えない。
でも親身になってくれる優しいおじちゃまやすぐさま駆け付けてくれる先輩が居て、境遇は不幸かもしれないが、周りの人たちとの交流や繋がりは決してそうではない。
寧ろ、母の再婚も素直に祝福出来ず、勝手に自分で不幸になっていたのかもしれない。
後半は久々に寅さんの恋。
鳥取の寅さんの昔馴染みの料亭に泊まる事に。
そこの女将・聖子に寅さんはかつて惚れていたが、二枚目の板前に取られてしまった。
幸せにやっていると思いきや、亭主とは死別。しかも、浮気者だった…!
酒に酔った聖子は寅さんに色っぽく言い寄って来るが…。
マドンナ・吉田日出子がとろんとした雰囲気で、寅さんと束の間の大人の恋を演じる。
またまたまたの兄の失恋を、いい歳して…と、嘆くさくら。
でも、今恋をしている満男の気持ちはちょっと違う。
恋は美しいのに、その恋をしている人は、どうしてこうも無様。
が、寅さんは常に相手を思いやり、満男も泉の為なら必死になれる。
一生懸命なその姿を笑えない。
寅さんも満男も我々も、皆同じ。
よかった
ゴクミ3作目。彼女が出ると毎回辛気臭くなるので、これから先も出ると思うと気が重い。
鳥取の駄菓子屋がおばあさん一人でやっていて、すごい佇まい。ゴクミが豆腐を川に落としたけど大丈夫だったのだろうか。鳥取砂丘の高さがすごい。ゴクミが出ると徳永英明みたいな音楽が掛かる。
吉田日出子がかわいいんだけど、深入りするととんでもないことになりそうで、寅の判断は正しい気がする。
全4件を表示