劇場公開日 1989年8月5日

「意欲作だと思います」男はつらいよ 寅次郎心の旅路 ふーてんふーてんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0意欲作だと思います

2022年7月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ロケーションが初の海外という一作。
寅さんは飛行機に死んでも乗りたくないくらい嫌いなはずだったのに、このあたりはあっさりスルーして渡航してしまうのは面白い。ウィーンという場所がありきの撮影で、内容的にはあまり評価されていない作品のようですが、バブル絶頂のころ、海外が身近になった時代の作品ということで、またそれも世情を反映していていいと思います。
寅さんはほとんどホテルにこもっていたのがちょっと残念で、露天行商の一つでも挑戦してみてもよかったかもしれません。マドンナは竹下景子だけれど、もはや年の差が親と子くらい離れている感じで、失恋というには無理があったかな。でもドナウ川川辺で人生相談に乗ってあげるのは寅さんならでは。最後に柴又の実家に、竹下景子ではなく柄本明が訪問して、写真を届けることで実家の面々が寅さんの行動を知る、っていう展開もおもしろいです。
神父様に対し「御前様」と手を合わせるところはクスリと笑いました。

ふーてんふーてん