「素晴らしかった」男はつらいよ 寅次郎物語 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしかった
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寅と名付け子の秀吉が旅をする、ちょっとした里親展開で泣ける。実母の勤める真珠屋のおかみさんや島に渡る船の船長が人情に厚くて、今回は特におばちゃんも情の深さが全開で泣けたのだった。素晴らしい傑作なのだけど、先日読んだ滝口悠生さんの『愛と人生』で盛大にネタバレしていたので、なんだか残念だった。この映画を見てから読みたかった。
(追記)
東京新聞サイト「すくすく」で連載中の『里親映画の世界』で紹介するために見返した。改めてみてストーリーがとても面白い。キャストもいい。シリーズ屈指の傑作ではないだろうか。
寅さんが子どもを連れて歩いているのもいい。寅は子どもを子ども扱いしないのだけど、目線の高さが一緒なので楽しそう。前に見たときは、寅は子どものままだなと思ったのだけど、改めて2回目では、別れの場面で芽生えた愛着を無理矢理断ち切ろうとしていることに気づいた。それが父性なのかはわからないけど、秀吉と別れがたく思っていたのはよく分かった。
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