「寅さんの真髄が詰まった1作目!」男はつらいよ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
寅さんの真髄が詰まった1作目!
"男はつらいよ" シリーズ第1作。
Amazon Prime Videoで鑑賞(HDリマスター版)。
テレビドラマは未見。
恥ずかしながら初鑑賞。これまで何度もテレビで放送されていたが観る機会に恵まれず。そもそも興味が持てなかった。
年を取ったせいか(と言ってもまだ20代だが)、人情喜劇がしっくりハマり、観ていて安心出来るようになった。
昔ながらの雰囲気が好きだ。と云うわけで本シリーズに手を出すことにした。今年は公開50周年だしちょうど良い。
寅さんが20年ぶりに柴又に帰郷するところから物語がスタート。おいちゃんとおばちゃんへの帰還の口上の後、妹・さくらとの再会の場面でうるっとさせられた。
博にスナックで偉そうに恋愛指南するも自分は冬子に対して実践出来ないのが寅さんらしい。目線で語ろうにも「目にゴミでも入ったの?」と言われてしまう始末で面白い。
さくらと博の披露宴の場面、息子との間に遺恨有りな博の両親をイケすかないなと思っていたが、スピーチで口にした子への想いと後悔に涙。志村喬の胸に沁み入る名演であった。
1作目にして、シリーズの基本的なフォーマットが確立していたとは驚いた。テキ屋稼業の名調子が炸裂するシーンでは、気持ちいいくらいの言葉の機関銃に魅せられた。
マドンナに最後には振られてしまうお決まりの展開も、もちろん本作から始まっている。惚れたら傍から見ればいい意味で見苦しいほどに恋へ邁進する。なんとも愛おしい光景だ。
バカなんだけど憎めない、不思議な魅力を持つ男、寅さんに虜にならない人なんていないのではないか。これこそが「男はつらいよ」であり、寅さんの真髄なのかもしれない。
[以降の鑑賞記録]
2020/01/18:Hulu
2021/08/01:Blu-ray(4Kデジタル修復版)
2024/08/27:Blu-ray(4Kデジタル修復版)
2024/12/31:Ultra HD Blu-ray(4Kデジタル修復版)
※修正(2024/12/31)