大番(完結篇)

劇場公開日:

解説

週間朝日に連載され話題をよんだ獅子文六の小説「大番」の映画化の第四作で、完結編である。「ぶっつけ本番」の笠原良三の脚色、「弥次喜多道中記」の千葉泰樹の監督、同じく「弥次喜多道中記」の西垣六郎の撮影、と前作と同様のスタッフ。出演者もギューちゃんの加東大介をはじめ、淡島千景・原節子・青山京子らのお馴染みの顔ぶれに、団令子・山村聡が新たに加わる。

1958年製作/103分/日本
原題または英題:Mister Fortune-Maker
配給:東宝
劇場公開日:1958年7月1日

ストーリー

昭和二十四年、東京証券取引所再開。かつて兜町から旗をまいて故郷に逃げ返ったギューちゃんは、野望に燃えて再び上京。新どんの喫茶店を根城に細々と株の売買をしながら機会をねらっている。昔の仲間も集った。チャップリンさんも店に来て、パルプ株の有望性を説いた。ギューちゃんは揚巻のおまきさんを通じて伝手を求める皇国パルプの重役川田氏を訪れた。二人はたちまち意気投合、パルプ株はぐんぐん上昇した。つづいて買ったガラス株も暴騰。この勝負に全財産をつぎ込んだギューちゃんは、一億の儲けと取引所正会員証をかちとった。社屋を新築し、新どんを専務に据え、売りの角政の向うを張ったギューちゃんは、いまや兜町で押しも押されもせぬ存在だ。ゴルフもはじめた。ゴルフ場での立話から買った株が朝鮮事変の特需景気にのって、なんと十四億も儲った。ここにおいて本来の女好きも頭をもたげ、秘書のマリ子に手を出して振られるやら、キャバレーの女に入揚げるやら、おまきさんを心配させる。そのうち、夢の女性、可奈子未亡人に求婚するという挙に出た。ギューちゃんにしてみれば莫大な財産をもつ独身男という立派な理由がある。だが不幸にも彼女は結核にたおれ、ギューちゃんのあらゆる努力も甲斐なく死んでしまった。可奈子さんの死を境に、ギューちゃんの運もどうやら下向きになった。朝鮮休戦と政情不安定から株式は暴落、彼の会社も大損害をうけた。ギューちゃんの生気はとみに衰え、会社の方も放りぱなし。ゴルフ熱もさめてしまった。そんなある日、新聞でチャップリンさんの死亡記事を見つけたギューちゃんは、かつてチャップリンさんから教えられたことなど思い出した。若い日のサイトリの不撓不屈の精神を思い出した。わしの運命は相場以外にはないんだ! ギューちゃんは再びふるい立った。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0昭和25年の株取引の雰囲気がよい

2024年1月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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東條ひでき

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