大阪物語(1999)のレビュー・感想・評価
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池脇千鶴が眩しいほど輝いていて素敵です
タイトルが大阪物語なので、1999年の大阪を旅する感じがする内容なのは看板に偽りなしでいいと思います。
主演の池脇千鶴もさることながら、沢田研二、田中裕子を筆頭に関西の名だたる芸人を贅沢に登場させ、関西で育った人間であればそれだけで満足できるのではないでしょうか。
ずぼらやの看板や大阪マルビルなどの懐かしい光景もあり楽しめました。
お好み焼きを食べながら見る没入感もさらに増す事でしょう。
採点のマイナス1は、ストーリー。前半と後半でちぐはぐと言うか、色々盛り込みすぎて薄っぺらい部分も多く、もう少しどうにかできたのでは思ってしまいます。
ただ、池脇千鶴のかわいらしさは特筆もので、ため息が出そうなくらい輝いてました。
大げさに言えば彼女の可愛さだけで2時間引っ張ったと言ってもいいくらいだと思います。
夫婦漫才は離婚したほうが成功する?
いきなり美少女の独白シーン・・・と、どこかで見たことがあると思ったら、池脇千鶴。当時でも17歳くらいなのだろうか。
離婚してすぐ近くの女のもとへと行ってしまった沢田研二。しかし、そこは離婚したほうが成功すると言われる夫婦漫才。以前よりも仲が良くなったように見えた夫婦。田中裕子とも息がピッタリかと思いきや、彼女にはちょっと恥じらいさえ見えるような雰囲気だ。
そんな危うい家族だったが上手くやりくりしてた・・・のも束の間、父ちゃんが蒸発してしまったのだ。大阪の町を探す若菜。いろんな人に聞いてまわるのだが、ドキュメンタリー風に撮っていたり、ほとんどアドリブちゃうか?といった雰囲気の大阪弁が心地よい。しかもホームレスや変な関西人や綺麗なところも汚いところも当時の風俗がそのまま描かれているのがいい。
20世紀、ミナミ。
前半、夫婦漫才の小気味好さ、それを模写する姉弟の愛らしさに、'あぁ、このリズム悪くないなぁ'と。
今でも大阪には残っているけど、前世紀はより色濃かった、目に見える形の貧しさ。
呑んで、笑って、その日をなんとか凌いでいく人々。決して悲壮なだけな訳ではなく、所与の条件の中でやれることをやっていくまでや、というイイ意味での諦観、楽観。
後半、少しダレてしまう感が否めないけれど、古き良きミナミ、が憎めない。
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