「時代劇が生き残るには…」SF サムライ・フィクション 777さんの映画レビュー(感想・評価)
時代劇が生き残るには…
まず、この映画を語るに、時代劇について説明せねばならない。
かつての時代劇「印籠」「銭投げ」「桜吹雪」という物が見られなくなった…
理由は、そういう「マンネリの必殺技」が好みの老人達も、それに飽きて
しまったから…
だが、そういった記号的手法の勧善懲悪を描くのでなく「業」、つまり
人間の「良い部分」「悪い部分」全て描くとなると、今の時代は敬遠される。
現代劇のドラマで生々しい物を描くと視聴率が取れない時代、
それが時代劇だったら、なおさらだ…
人間関係・派閥抗争なんかを複雑に描くと、より嫌われる。
それが許されるNHK大河ドラマは「戦国」と「幕末」ばかり描いて
皆が全て知っている内容だから受け入れられる。
「時代劇」「演歌」「落語」の伝統的な日本文化は、今は風前の灯だ…
ショー・コスギが米映画で「忍者」として出た時は、誰もアレを
「アメリカ人が時代劇をリメイクした」なんて言わなかっただろ?
日本人が描くから「時代劇」は日本文化であるのに、何故か現代の
日本人は「クジラやイルカの肉を食う」という文化は強く守ろうとして
「時代劇」「演歌」「落語」は守ろうとしていない…
よって「サムライフィクション」と呼ばれる、この映画が生まれる事となる。
この映画が時代劇の生き残る手段ではないと言い切るのなら、それは
この作品のスタッフより、もっと上の世代の「時代劇・黄金期」を知る
者達が作らなければいけないモノだ…
2024年10月の現在、これを撮った監督は66歳となっている。
この作品以降も時代劇映画は撮っているが、あまり高い評価は得て
いない…
繰り返すが、この映画が時代劇としてイカン!というなら、時代劇・
黄金期を知っている世代が、今の時代の時代劇を作れ!!