「【今作は、神の采配により、大いなる罰を受けるべき大学病院医療関係者の非道極まりなき行為を淡々と描いた作品であり、如何なるホラー映画よりも震撼する作品でもある。】」海と毒薬 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【今作は、神の采配により、大いなる罰を受けるべき大学病院医療関係者の非道極まりなき行為を淡々と描いた作品であり、如何なるホラー映画よりも震撼する作品でもある。】
ー ご存じの通り、今作の原作は、クリスチャンであった遠藤周作の同名作であり、上梓後に世間から激しい賛否を浴び、彼が失意の中続編執筆を止めた問題作品である。
氏は、その作品で命の尊厳と医療の闇を描いたと私は思っているが、激しく糾弾した人達の考えは違ったようである。-
■粗筋
太平洋戦争末期。
敗色も濃厚となった昭和20年春。九州の大学病院で研究中の医学生、勝呂(奥田瑛二)と戸田(渡辺謙)は自身の研究と患者の治療に追われる日々を送っていた。
そんなある日、2人は或る教授から米軍捕虜の生体実験に参加するよう申し付けられる。
◆感想<Caution!内容に余り触れていません。>
・今作を観ていると、日本人と言う大和民族が持つ、集団心理の恐ろしさをひしひしと感じる。それが、顕著に出たのが、大日本帝国軍の大東亜共栄圏思想である。
表向きは、亜細亜の連携を謡いながら、実態は朝鮮の民、中華の民に対する数々の非人間的な行為の数々を行った歴史的事実である。
その思想は、敗戦により表向きは無くなった風を取ってはいるが、いまだに時折、右の思想を持つ老人国会議員による、信じがたき発言として、発露しているのである。
彼らは、自らの発言に対し、世間から激しい怒りを浴びる事で、
”え、私はそんなに悪い事を言ったのかな?”
と本心では思いつつ、表面的には謝罪の意を表し、そのまま国会議員として居座っているのである。
今作で、非道な行為を行いながら、朝鮮戦争勃発により罪を逃れた九州の大学病院の教授や戸田の様に・・。
・似た気質を持つ民族が、もう一つある。
ご存じの通りアーリア人種至上主義を掲げ、ユダヤの多くの民を死に追いやった民族である。
この民族と大和民族には幾つかの共通点があり、且つ彼の大戦でも同盟を組んでいるのは、周知の事実である。
・世界各国では、一定比率でサイコパスが現れ大量殺人を犯すが、民族そのものが選民思想に基づき、他民族を虐殺に追いやったのは、上記二民族と、アフリカの一部の民族だけである。
上記二民族は、今作の九州の大学病院の教授や戸田の様に、何の罪悪感も無く、神の采配により、大いなる罰を受けるべき非道なる行為を歴史的に行って来たのである。
<今作は、神の采配により、大いなる罰を受けるべき大学病院医療関係者の非道極まりなき行為を淡々と描いた作品であり、如何なるホラー映画よりも震撼する作品でもあるのである。瞑して観るべき作品であろう。>
