劇場公開日 1961年7月19日

「特撮ファンなら観て損は有りません」宇宙快速船 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5特撮ファンなら観て損は有りません

2025年5月18日
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鑑賞方法:VOD

宇宙快速船

1961年7月19日公開
ニュー東映、白黒映画
主演は千葉真一
海王星人による地球侵攻を地球の科学者達と防ぐスーパーヒーローアイアンシャープの活躍

東宝の宇宙大戦争は1959年12月の東宝のカラー作品
これと較べると1年半後の作品であるのに何から何まで恐ろしく劣ります

東映が制作し1960年8月から1961年4月までテレビ放送されたナショナルキッドのテレビスペシャル的なレベルです
そう思って観れば冒頭の海王星人登場シーンで萎えることも無いと思います
むしろしっかりした内容に驚かされると思います

謎の電磁波が観測され、
東京全域で停電が発生します
どうも今でいうサイバー攻撃ぽいです
海王星人の宇宙船はレーダー探知不能、今のステルスです
海王星人サイバー攻撃は激化し、
日本やアメリカの原子力発電所が爆発
米ソ間で互いの攻撃であると第三次世界大戦の危機となるという展開になります
しかし、なぜか日本の科学者はこれを海王星人の謀略であると見抜いており、さらなる攻撃を防ぐためエレキバリアという防御兵器を地球に展開します
これにより、宇宙から発射された
海王星人のミサイルは地表に届かず阻止されます
海王星人は既に地球に着陸させていた宇宙船から、ドローンのような小型宇宙船を放出して、エレキバリアを展開する発電所の攻撃や、都市攻撃を行います
海王星人の宇宙船はエレキバリアにより宇宙へ脱出出来なくなったので必死です
しかし、海王星人の小型宇宙船は、アイアンシャープの宇宙快速船との空中戦で、大型宇宙船は防衛軍の地対空ミサイルの飽和攻撃で撃破されます
アイアンシャープの正体は、子供達と仲良しの科学研究所の研究員ですが、ヒロインのお姉さんも研究員の仲間もだれも知らないのです
この設定は後のウルトラマンの科学特隊のハヤタ隊員とその周囲の人々に継承されていくスタイルです

あと
アイアンシャープの宇宙快速船はイギリスのジェリーアンダーソンのスーパーカーになんとなく似ていますが、日本放映は1961年10月からなので、きっと他人の空似です

冒頭の宇宙船は1957年10月に打ち上げ人類初の人工衛星スプートニク1号の形状をしています
劇中の台詞にあるガガーリンは1961年4月に打ち上げられたボストーク宇宙船で人類初の有人宇宙飛行した宇宙飛行士のことです

特撮はラスト20分は破壊シーンや空中戦シーンもあり特撮ファンなら観ておくべきものです
都市破壊シーンは、東京タワーと国会議事堂の爆発シーンは1960年10月の「第三次世界大戦 四十一時間の恐怖」からの流用とおもわれます
しかし、大手町と思われるオフィスビル街の爆発シーンは初めて観るものでクォリティーも高く満足できます
特殊技術は矢島信男です
東映の特撮の土台は彼が作ったのです
特撮ファンなら観て損は有りません

あき240
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