歌う暴れん坊
劇場公開日:1962年12月26日
解説
「俺に賭けた奴ら」の小川英のオリジナル・シナリオを「金門島にかける橋」の松尾昭典が監督したアクションもの。撮影は「若い旋風」の萩原泉。
1962年製作/89分/日本
配給:日活
劇場公開日:1962年12月26日
ストーリー
この街には昔から巽組と駒形組の二つのやくざ組織が対立していた。巽建設の大介と駒形組の鉄治は、小学校から大学まで一緒に歩んできた親友同士だったが、こと一家のことに関してはいつもいがみ合っていた。二人には親代りともいえる榎本が仲直りの音頭をとっていたが、大介の縄張りである弁天町に高速道路工事が始まり、それを巽組が請負ったことから、二人の反目は度を強めていった。その頃、弁天町警察署では険悪な状態の巽建設と駒形組の警戒の意味もあって新しい警視、堅野を迎えていた。しかし、堅野は大介と鉄治を見るなり破顔一笑、三人は大学時代フットボールの三羽烏で鳴らした親友だったのである。堅野は、鉄治の縄張りにはペイ患者がウヨウヨしており、そのペイを流しているのは大介の身内のものという情報がある、と言った。大介には身に憶えのないことだった。それより彼には、孤児収容所の移転先とそこで働く美沙子が問題だった。彼はいま売れっ子の“こまどり姉妹”をショーに招いてその純益金を孤児たちに寄附しようと計画をたて、奔走するのだった。その頃、榎本のところでは巽組の若い者など意外な連中が顔を揃えていた。榎本は、あらゆる手段を講じて巽組と駒形組をいがみ合せ、隙に乗じて弁天町の縄張りを横取りしようと企んでいたのだ。大介の懸命な交渉が実ってショーが開かれることになった。だがその当日、榎本の差し金で大介は鉄治と対決させられる破目になった。しかし大介の目はふし穴ではない。ちょっとの隙に鉄治を促した大介は榎本に逆襲をかけた。大乱闘の中、鉄治の言葉を背に受けて大介は舞台へ駈けつけた。万雷の拍手に包まれて唄いまくるこまどり姉妹、それを見つめる大介と美沙子の顔は明るい。