阿賀に生きるのレビュー・感想・評価
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生きる原点と心に沁みる懐かしさ
阿賀野川流域に住む人々の日常を淡々と描くドキュメンタリー、2時間充実した時間でした。
3年間もその地に住む老人達に寄り添い出来あがった作品は優しさが籠った秀作ですね。
最初に出てくる長谷川さんご夫婦、あの田んぼでの日々は傍から見ると辛そうですが、
2人にとっては生きがいなのでしょうね。そこで倒れてもいい!迷いない頑固さは、なぜか素敵です。
2人の食事風景もいい。お爺さんは戦争に行った時の歌、おばあさんは変に色っぽい歌。
へへへなんて笑っちゃいました。
息子に鮭の話しながら寝てしまう爺さんと、その時のばあさんの言葉面白いねー。
そしていろいろな人の計らいでもう一度鮭釣り体験嬉しそうだった。
川船作りの遠藤さんと奥さん
無口な遠藤さんですが、久しぶりに舟作りを始めると顔も高揚し
職人の目になり、腰は曲がっているが力強くかなづちを打つ姿は
好きな仕事を悔いなく全うしてきたのだなーと思わせてくれました。
出来あがった時は本当に嬉しそうで酒も入り少し饒舌になっていましたね。
新しい舟を交えた3艘が川に浮かぶシーンいいね。
3組目は餅作りの加藤さんと奥さん、まあここの夫婦は2人供口が悪い。特にばあちゃん、
体は全然動かないのに口だけは達者、だけどこの夫婦の掛け合いも又面白い。
所々に水俣病の影を織り込みながら、それを主題にはせずと言うか
老人の生活、地域の繋がり、夫婦の在り方この先輩達に敬意を払わずには居られません。
私もそろそろ老人の域に達する年齢ですので、
驕らず、勤勉で、ありのままを受け入れて生きるという事を教えて貰いました。
最後の場面3人の老人が家の中からカメラの方を見ている。そしてハイおわりーでお別れをいうシーン。
その時の会話。この作品を作った側の熱意とそれに応えた人々の交流がいかに温かいものだったか解りました。
それから印象という項目に幸せとしたのは、この映画を観ることができて幸せという意味です。息子に感謝。
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