劇場公開日 1956年3月18日

「映像から色が匂い立つ傑作」赤線地帯 lotis1040さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5映像から色が匂い立つ傑作

2013年11月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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幸せ

素晴らしい映画だった。
モノクロフィルムの映像でありながら、どこからも色がわかる。どんな服を着て、どんな色でこのネオンはどんな色をしているというのが見て取れる。素晴らしい作品だった。色使いはやがてこの映画の中にいる人々の息遣いにもつながってくる。
赤線地帯の名前の如く、これはそういったばしょに生きる人々の映画である。
様々な事情でそこにいる人達。ひとりひとりの事情は違えどもひとつの場所に集った人達の様々な感情を白黒の中に表現している。

溝口は、これの前に数本カラーの映画を撮っている。
けれどもこの作品でまた白黒に帰ってきたのには必ずや理由があったはずだ。

話は変わるようだが、最近ふと宮崎駿は溝口のようだと思った。
溝口の映画をカラーにするときっとこんな感じになるのだろう。
ふとそんな風に思う。

lotis1040