劇場公開日 1968年9月21日

「白黒の情景が心に突き刺さる映画」あゝひめゆりの塔 キャロットAさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0白黒の情景が心に突き刺さる映画

2020年8月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ひめゆり学徒隊の映画はこれまで見る機会がなかったが終戦記念日ということもあり録画したこの映画を見てみた。
白黒でありながら悲惨さが伝わってくる佳作である。
前半の学校や家庭での生活と後半の戦場シーンとの対比が際立ち、特に後半は一気に時勢に押し流される展開となり個人の力ではどうにもこうにもできない様が映し出される。
年頃の娘を持つ身としては本当にキツイ映画である。ただの反戦映画ではなく生身の人間が抗いようのない歴史の波に呑まれていくことを映像を通して感じ取れるのではないか。学童疎開児を含む1484名が犠牲となった対馬丸の件(くだり)も悲しかった。
今年で終戦から75年経過。大戦での犠牲者のみならず多くの悲しい思いを抱えて旅立った魂に弔意を捧げます。
機会があれば1953年の初代ひめゆりの塔も見てみたい。

キャロットA