ロンリーハートのレビュー・感想・評価
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どこまでが…
実話再現となるのだろう。新聞広告欄で未亡人を狙った詐欺を働くとは、いつの世も悪党とは考えたものだ。しかし、サルマ・ハエックと出会ってしまったことから更なる凶悪犯罪を犯していく。ジャレッド・レトに未亡人を誘惑させておいて、その姿に嫉妬し、結局未亡人たちを殺させるという異常っぷりが凄い。出会ってはいけない二人だった。妻の自殺でふさぎ込むジョン・トラボルタも渋いが、そんな彼の良き理解者ジェームズ・ガンドルフィーニも良い。ローラ・ダーンと息子はよく上手く行ったなと。息子が大人だ。ラスト死刑シーンはリアルだったが同情の余地なし。特に少女にまで手を掛けたのは最悪。
ラストの死刑シーンは見事でした。
結婚詐欺を働きながらも相手の女性を惨殺するカップルと、それを追う刑事の物語。
実話を基にした映画のようですね。
殺人鬼となるカップルの描き方が秀逸です。
小悪党のレイモンドがエキセントリックなマーサと出会い、人を殺さざるを得ない心理に追い込まれていきます。
それぞれの殺人までの展開が秀逸で、映画としては見応えがあるものでした。
最初の殺人。妹役を演じるマーサのプレッシャー、そのプレッシャーに戸惑い恐怖するレイモンド。そして生贄の女性。いつどのように殺されるのか、緊迫感があり過ぎて目を背けたくなります。
最後の殺人。懐いてくれた少女。「彼女だけでも殺さないで欲しい」という願いで、手を合わせたくなります。
ラストで二人の死刑シーンが映し出されますが、ここ迄しっかりと描いた死刑シーンは初めてで、このシーンにも震撼します。
ジョン・トラボルタ演じる刑事も、抱えたトラウマ、家族の葛藤等を描かれていて深みを与えます。
映画としての完成度は高いと感じますが、嫌なシーンも多く、最高評価は付けにくく感じました。
もう少しカタルシスを感じられるラストなら、より良かったかもしれませんね。
下劣な犯罪者の残酷な異常性を容赦なくさらす戦慄の演出
総合85点 ( ストーリー:80点|キャスト:80点|演出:90点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
結婚詐欺で相手の心を弄び、感情を制御出来ず唐突に撃ち殺そうとし、かすかにうめき声をあげるのを聞いて「まだ死なない」とか悪態をつきながらそのまま鞄に詰め込もうとする。とても下劣な犯罪者たちの残酷さ・異常性をそのようにあますことなく描いた戦慄の演出に衝撃を受ける。人を殺すということは銃をもって引き金をひけばお終いではないのだというのをわからせてくれる。私にとっては「プラトーン」でアメリカ人兵士がベトナムの村人を脳が飛び散るまで銃床で殴り続けた場面以来の残虐さだった。このような残酷な作品は一般受けしないだろうし公開映画関数も少なくて興行収入も惨敗のようだが、その衝撃がある故に現実に迫っていて演出の質が高いと感じた。R15指定だが、確かに子供は見ないほうがいい。見ていて気分が悪いが、映画としては非常に印象の強くてある意味で面白い作品となった。
刑事役のトラボルタも悪くなかったが、やはり犯罪者役の二人の演技が良かった。特にマーサ役のサルマ・ハエックという、私は存在を知らなかったメキシコ人女優のきれた演技は上出来だった。「L.A.コンフィデンシャル」にも似た、作品全体を覆う緊迫した暗く冷めた雰囲気作りもいい。同じような設定の映画の「俺たちに明日はない」は凶悪犯罪者をなんとなく英雄視していて好きになれなかったのだが、本作品の下劣な犯罪者を下劣に描くという視点も支持できる。
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