「ビデオ講義だけでは伝わらない」ソウ4 どすこいたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
ビデオ講義だけでは伝わらない
小手先のギミックに頼り切ってしまったような作品。SAWシリーズの魅力を「巧妙なゲーム」「予測不能な展開」であると解釈し(間違ってはいない)、そこを追求した結果なのでしょうか。過去一「学び」の無い授業となってしまいました。
オープニングの死体の解体シーンから始まり、グロゴアについてはさすがSAWシリーズ、安定しております。しかし、今作のジグソウ先生の講義はビデオ講義のみ。ジグソウ先生の哲学はあまり聞けず、観客に対するミスリードに徹しているかの様なストーリー。観客を惑わせる為か、複雑を極めたストーリーはもはや理解不能。鑑賞後に解説動画、ネタバレ考察サイトを巡りようやく納得出来ました。まぁそれに関しては私のオツムの悪さがいけないのですが、さすがに一見さんに厳しすぎる内容でした。過去作鑑賞は絶対必要。
ジョンがいかにしてジグソウになったかが語られるシーンもありますが、後付け感があるしジグソウの狂気を薄めてしまっている気がします。その辺のさじ加減が「1」「2」は完璧だったので少し残念。それでもジグソウ先生の回想シーンでのゲームは流石本家といったところ。殺すのが目的ではなく、「生」を知り、更生してほしいという思いが感じられます。
……というか、SAWシリーズはこの時点でジグソウ先生による「生」の授業というアデンティティを捨てつつあるのかなと思いました。「強迫観念」に打ち勝てというメッセージは少し弱い気がします。次作はまた違ったアプローチがあるのか、気になるところではありますが、あまり期待せず観ていきたいところです。
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