グッド・シェパードのレビュー・感想・評価
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歴史を知っていれば面白そう
163分は長い、、
マット・デイモン、アンジー、ロバート・デ・ニーロ、エディ・レッドメインなど俳優陣は豪華。
歴史をもっと知っていればもっと楽しめたと思う。
全然知らなかったし、話が長かったし、登場人物も多くてよく分からなかったから理解出来ずあんまり面白くなかった。
キューバ革命でのピッグス湾事件の後のCIAの話。
バティスタ政権に力を貸し、カストロとチェ・ゲバラを倒すために、キューバを亡命した人たちだけを集めたチームでピッグス湾で奇襲作戦を行うつもりが、敵側に作戦が漏れており、逆に負けてしまった事件のこと。
息子が急にエディ・レッドメインになって、やっとマット・デイモンが老けてることに気付いた。
マット・デイモンがリベラーチェの時みたいに若返るのは違和感なかったが、老けるのは無理でした!
マット・デイモンの父の遺書には「家族を大切にしろ」的なこと書いてあったのに、マットも父と同じ道を辿ってて悲しい。
息子の嫁を航空機から落とすとこは衝撃。
監督デ・ニーロは重厚 役者デ・ニーロは手抜き
監督2作目にしてこの味わい。監督デ・ニーロ、静かに驚かせてくれる。デビュー作の『ブロンクス物語』はスコーセッシ風場面作りに己のハート(女の好みも含め)を注ぎ込むという、少々青くアンバランスな感じがしたのだが(それでも良い作品だが)、13年ぶりにメガホンを取った本作では、そんな青さのカケラも感じさせない。彼のカラーが無いと言えば無いが、こんな重厚でありながら重すぎない妙のある演出を2作目で魅せてくれるなんて、監督としても結構イケる。
そんなデ・ニーロ演出も話が面白くなければ活きない。本作の最大の活力はエリック・ロスの脚本だ。重厚な実録ものと思いきや、実はスパイ・エンターテインメント。前半に短編的なエピソードを積み重ね、後半でこれらの集大成として主人公に危機が降りかかる。主人公は高官であり、命の危機には曝されることはないが、彼が一番大事にしている者を巡り窮地に立つ。更にこれを乗り切るための行いが招く悲劇。非情な世界の業をまざと見せるロス、『ミュンヘン』に続き素晴らしい仕事ぶりだ。
もう一人作品を支えているのは、撮影のロバート・リチャードソン。当代屈指のDPの仕事っぷりにはひたすら見とれ酔うのみ。暗と光、オレンジ色が絶品だ。
マット・デイモンは寡黙な人物を演じた時は素晴らしい。己を決して崩さない非情なエリートを演じて、これほど嫌みなくはまる役者もそうは居まい。
アンジー・ジョリーはゴージャスで巧いと思うが、ちょっと浮いた感がある。豪華脇役は顔見せ程度だが、マイケル・ギャンボンは印象に残る。出番の少ないデ・ニーロ本人、資金調達の為の出演だろうか、あまりにもやる気のない芝居だ…。コッポラの非難も頷ける。もっとも最近のコッポラもコッポラだが。
もう一度、『ゴッドファーザーPARTⅡ』
腰の据わった演出で俳優たちの共演をじっくりとみせるちゃんとした大人のドラマ作品。スター俳優勢揃いで、知ってる役者さんたちが入れ替わり立ち代り出てくるのにビックリ!
だから、面白いのか?というと、そうでもないのだ…。
デ・ニーロ監督自身はCIAをリアルに描いたドラマが作りたかったと言っているが、今作では、CIAの諜報活動は実際には描写せず、“マザー”と呼ばれた一人の男を通して、組織に命を捧げた男の苦悩を『ゴッドファーザーPARTⅡ』に非常に近いタッチで悲哀たっぷりに描いている。そのため、物語に派手さが皆無。マット演じる“マザー”は寡黙で内にこもるばかりで何を考えているのかもわからない。
また、デ・ニーロは『ブロンクス物語』ではスコセッシ調、今作ではコッポラ調。クリント・イーストウッドやロバート・レッドフォードのように自分の演出スタイルを持つまでには演出技術が出来ていないため、今回のような、あまりにも『ゴッドファーザーPARTⅡ』と似たような話にしてしまうと、コッポラの演出力との差が歴然と出てしまっている。役者を丁寧に撮るばかりで、作品に強弱がなく1本調子で2時間45分はつらい。
これだけ、じっくりと描いていると、脚本の粗も目立つ。
・英国諜報部は、マフィアでもないのに何故、教授をなぶり殺しにするの?
・マットの息子は神経質で性格テストで落ちそうなくらい弱い子なのに、なぜCIAに入れるの?
・息子はなぜ、パパが嫁を殺すことに気付かないの?
・偽亡命者は誰だったの?
・マットはこの作品中、3回しか女性と関係を持ってないの?
とか、くだらない疑問が次々と頭をよぎる。
何より主題が明確でないのは痛い。
CIAとマフィアは同じだといいたいのか、当時の彼らは、神や家族よりも愛国心が生きるよりどころだったといいたいのか、歴史の無いアメリカ人にとっていかに国家が重要かということがいいたいのか。どちらにしても、CIAを肯定的に描いているのは確か。
きちんとした映画で観る価値はあると思うのだが、イマイチはじけない地味な作品でございます。
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