「仁義」イースタン・プロミス Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
仁義
クリックして本文を読む
ビゴモーテンセンのハマり役。その佇まいがヤバい。無造作に指を処分する。素手どころか全裸でも敵を倒す。その男、凶暴。バカ息子のバンサンカッセルの情緒不安定な目、ゴッドファーザー・アーミンミュラースタールの一見柔和な表情、その世界が表現されている。ホラーな演出は好みではないが、銃によらないナイフでの格闘も悪くない。
終盤の展開はどうも納まりが悪い。ナオミワッツの伯父を助けるほど彼女に惚れ込む流れでもない。取り立てられたビゴがさらに上を目指す下剋上的な動機かと思ったがそれは外れた。潜入捜査という展開はその説明になっているが、であれば、哀れな14歳の恨みを晴らして欲しく、そこがまるまるカットだと不満が残る。必殺仕事人でも遠山の金さんでも良いが、ベタに徹底的に悪を葬って欲しかった。最後のキスシーンからラストショットへの流れは、ストイックさから遠ざかる展開で、ビゴの魅力を減じたように思える。
コメントする